「ホライゾン」の意味
「ホライゾン/ホライズン(horizon)」には、次の2つの意味があります。
- 地平線や水平線。
-
認識や知識などの限界、境界、視野。
「ホライゾン」の語源
英語の「horizon」
「ホライゾン」の由来は英語の「horizon」で、日本語と同じく「地平線や水平線」、「限界、境界、視野」という意味です。
- 「地平線や水平線」はひとつしかないので単数形で使用。
- 「限界、境界、視野」と言う意味で使う場合は、「horizons」で単数形扱い。
- 「on the horizon」は、「地平線上に/水平線上に」から転じて、「兆しが見える/近い将来に」。
英語の「horizon」の語源
英語の「horizon」の語源は、古典ギリシャ語の「horizōn」です。「horizein(限る)」を名詞化した言葉で、「限るもの」という意味があります。古典ギリシャ語からラテン語「horos(境界)」、古フランス語「orizon(水平線、地平線)」を経て、英語の「horizon」に至りました。
語源を考えると、もともと「限界、境界」という意味だった言葉ですが、昔の人が感じられる一番大きな境界線が「水平線、地平線」だったことから、意味が付加されていったのかもしれません。
「ホライゾン」の関連語と使い方
「イベントホライゾン」
「イベント・ホライゾン(event horizon)」は日本語で「事象の地平面」とも言われる、物理学や相対性理論の概念のひとつで、対象とする分野によって次のように使い分けています。
- 光や電磁波などの観測によって情報を知りうる領域と、そうでない領域の境界。
- ブラックホール周辺で、光が外部に逃れられない範囲の境界面。
- 膨張する宇宙で、観測者から遠ざかる速度が光速を超えている領域との境界面。
- 例:「イベントホライゾンはSF作品でもよく取り上げられている。」
「ホリゾンタルカラー」
「horizontal」は「horizon」の形容動詞形です。「ホリゾンタル・カラー(horizontal coller)」は、シャツの襟の形の一種。衿の尖った部分の角度が緩やかで、衿の間(ネクタイの結び目が覗く部分)が180度近くまで広がっているタイプで、衿先が水平に見えることからこの名前で呼ばれます。「カッタウェイ」とも呼ばれます。
- 例:「ホリゾンタルカラーはカジュアルでもフォーマルでも使えるので人気がある。」
「ホリゾント」
「ホリゾント」は「(近代以降の劇場で)舞台奥に設置された壁や幕」を指す言葉で、20世紀初頭にドイツで開発されました。このホリゾントの手前に水平方向にライトを並べてホリゾントを照らし、空などの背景を表現する舞台装置の一種です。略して「ホリ」と呼ばれることもあります。
由来は開発元のドイツ語の「horizont」で、英語の「horizon」に当たる言葉ですが、「ホリゾント」のことは英語で「サイクロラマ(cyclorama)」と言います。舞台の床とホリゾントで作られた空の交わる部分で「水平線」が作られるので、こう呼ばれるようになったのかもしれません。
写真スタジオなどで使用する背景用の幕も「ホリゾント」と呼ばれ、CG合成などで使うブルーバックやグリーンバックなどもホリゾントの一種です。
- 例:「このシーンはホリゾントはオレンジ色にしてください。」
「ホリゾントライト」
「ホリゾントライト」とは、「ホリゾントの手前に水平方向に並べてホリゾントを照らすライト」を指します。ドイツ語の「horizont」と英語の「light」を組み合わせたカタカナ語です。
- 例:「セットを動かす時はホリゾントライトに当たらないように注意してください。」
「ホライゾン」が有名になった理由
『NEW HORIZON(ニューホライゾン)』
生活する上でほとんど使うことがない「ホライゾン」という言葉がなぜ有名になったのか?その理由の一つが『NEW HORIZON(ニューホライゾン)』です。このような熟語はありませんが、「ホライゾン」の検索結果に表示されて気になったかもしれません。
『NEW HORIZON』は、東京書籍から出版されている中学生向けの英語の教科書、英和辞典、和英辞典のタイトルです。学生時代にこの教科書で「ホライゾン」という言葉を知ったという方もおられるでしょう。
『境界線上のホライゾン』
若い世代には『境界線上のホライゾン』というタイトルも馴染みがある「ホライゾン」といえるでしょう。『境界線上のホライゾン』は、2008年9月から2018年12月まで刊行された川上稔による日本のライトノベルで、漫画化、アニメ化もされました。ただし、ここでは、「ホライゾン」は人物名です。