「奨励」の読み方
まず「奨励」は、「しょうれい」と読みます。「励」に関しては、訓読みで「はげ(む)」と読む字です。漢字検定では「奨」は準二級、「励」は三級あたりで出てきます。
「奨励」の意味
「奨励」とは、何かを良いこととして、それをするように人々に勧めることを表します。もう少し噛み砕いて言いますと、「これは良いことだから、やりましょう!」のような感じです。
それぞれの字について、「奨」は褒めるや勧めるなどの意味を持っています。一方の「励」は、それに励むなどの意味を持っています。
「奨励」の使い方
「奨励」は名詞として「奨励だ」や「奨励によって~」のように使われる一方で、動詞として「奨励する」や「奨励して」などのように使われます。他には「奨励金」や「奨励費」という言葉があります。
また「ない」と組み合わせて、「奨励しない」や「奨励できない」のように使う場合、逆の意味(勧められないこと)を表します。
奨励:勧めること
【例:休日のスポーツを奨励する】
これは動詞として使っていて、「休日のスポーツは良いことなので、やりましょう」というような意味です。スポーツを勧めています。
似たような使い方としては、「貯金を奨励している」や「徒歩を奨励する」などの表現があります。
奨励:勧められないこと
【例:独断での行動は奨励できない】
こちらは名詞として使っていて、良いこととして勧めることは出来ない=勧められない、という意味です。禁止のように絶対ダメというわけではなく、あくまでも「お勧め出来ませんよ」や「やらない方がいいですよ」といったニュアンスです。
似たような使い方としては、「喫煙は奨励できない」や「無駄遣いは奨励しない」のような表現があります。
「奨励金」や「奨励費」とは?
「奨励金」や「奨励費」とは、何かの事業を保護したり奨励するため、国や団体が交付するお金などを指します。いわゆる補助金や給付金のことです。
たとえば農業を始めるには、何かとお金が掛かるかと思います。一方で国はそういう特定の事業を始める人に、定められた額のお金を出してくれます。つまり農業という事業を保護、奨励しているわけですね。そういうお金のことを「奨励金」と言います。
他には「奨励費」でしたら、「特別支援教育就学奨励費」という制度があります。これは特定の条件を満たす子供の教育に掛かるお金の一部を、国や自治体が補助してくれる制度です。
「奨励」に関連する言葉
「奨励」に関連する言葉には、「推奨(すいしょう)」、「勧奨(かんしょう)」、「策励(さくれい)」、「促進(そくしん)」などがあります。
「推奨」について
「推奨」とは、何かの物事や人を褒めて、他人に勧めることを表します。「奨励」と似ていて、言い換えとしても使いやすい言葉です。
ただし「推奨」はそれが優れているから推薦するようなニュアンスが強めで、たとえば「推奨品」とモノにも使われたりするので、「奨励」とは少しニュアンスが違っています。
「勧奨」について
「勧奨」とは、そのことをするように勧めて、励ますことを表します。励ますとは元気づけることも意味しますが、どちらかと言えばここでは、そうするように奮い立たせるニュアンスが強めかと思います。
たとえば「退職を勧奨する」でしたら、「退職するように勧める、働きかける」という意味です。「奨励」とは似ていても、ニュアンスが違っていますね。
「策励」について
「策励」とは、大いに励ますことや、大いに励むことを表します。この言葉は「本能の策励」のように使われるので、少し曖昧ですが、ここでの励ますや励むも奮い立つニュアンスが強めかと思います。古い読み物などで使われている言葉なので、現代ではあまり一般的ではないかもしれません。
「促進」について
「促進」とは、物事が早く進むように促すことや、力を加えることを表します。それを促すという点は、何かを勧める「奨励」に通じるところがあります。使い方としては、「販売の促進」や「開発の促進」などのように用いられます。