「堕落」とは?意味や使い方を対義語を含めてご紹介

皆さんは「堕落」と聞いてどのようなイメージが浮かびますか?日常会話では使わない言葉かもしれませんね。もしも「堕落」してしまったら、助けを求められる人や場所が必要です。この記事では、「堕落」の意味や使い方を関連語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「堕落」とは
  2. 「堕落」の例文と使い方
  3. 「堕落」の類語
  4. 「堕落」の対義語
  5. 「自堕落」とは
  6. 「体たらく」とは
  7. 「堕落論」とは

「堕落」とは

「堕落」とは、「品性が卑しくなり、身を持ち崩すこと」「物事が誠実さや節操を失って悪い状態になること」という意味の言葉です。また、仏教の教えでは、「仏道を信じる心をなくし悪行をなすこと」という意味になります。

「堕」という漢字は、「落ちる」「崩れる」「壊れる」という意味があります。また、「おこたる」「なまける」ことも表します。

混同しやすい言葉に「墜落(ついらく)」がありますが、こちらは「高いところから落ちる」ことを表します。

「堕落」の例文と使い方

  • 失恋をきっかけに、酒ばかり飲んで堕落した毎日を過ごしている。
  • 品行方正な人だったのに、友人はすっかり堕落してしまった。
  • 昨今の政治も堕落したものだ。

このように、「堕落」は本来の姿から様変わりしてしまったことを表します。少しの変化ではなく、まるでジェットコースターのようにどん底に落ちる際に使われます。できれば「堕落」する前に、何か対策を打ちたいものですね。

「堕落」の類語

零落(れいらく)

「落ちぶれる」ともいいます。意味は、「貧乏になったり地位が下がったりして、みじめな状態になること」です。「零」という漢字には、「上から落ちる」「草が枯れる」「あふれてはみ出す」という意味のほか、「愚痴を言う」や「数字のゼロ」のことも表します。

腐敗(ふはい)

「精神が落ちぶれて道義が低下すること」という意味です。「腐敗した政治にはうんざりだ」「この会社のやり方は腐敗している」など、組織や制度に対して使うことが多いです。

また、「有機物が微生物の作用によって分解し、悪臭を放つなどの状態になること」という意味もあります。「腐る」と同じですね。食べ物が腐敗しやすい季節は夏です。うっかり口に入れてしまわないように、賞味期限に気をつけましょう。

「堕落」の対義語

「更生」

「更生」は、単純に「生き返ること」を表すほか、「生活の態度や精神が、元の良い状態に戻ること」「役に立たなくなったものを再生して、また使えるようにすること」という意味があります。それぞれの意味での使い方をご紹介します。

【例文】

  • 枯れ果てた山林を更生させるべく、ボランティア一丸となって植林を行った。
  • 悪に手を染めていたが、彼の一言で更生できた。
  • 使い終わった牛乳パックを葉書に更生させた。

「自堕落」とは

「自堕落」は「身を持ち崩してだらしのないさま」を表します。「ふしだら」ともいいます。「堕落」との違いは、「自ら」という漢字からも分かる通り、「意図してだらしなくなること」です。

「上げ膳据え膳で、自堕落に過ごした正月だった」「自堕落な生活から抜け出せない」などと使います。疲労が溜まっている方は、たまには息抜きで「自堕落」に過ごしてみると良いかもしれません。

「体たらく」とは

「堕落」と「たらく」は響きが似ていますが、意味は異なります。「たらく」は、断定の助動詞「たり」を活用して名詞になったものです。

「体(てい)たらく」とは、「ありさま」「様子」「状態」などを表す言葉です。多くは、非難や自嘲を含んで「なんという体たらくだ」など、ネガティブな意味で使われます。

「堕落論」とは

「堕落論」は、坂口安吾(あんご)という作家の代表作の一つです。終戦後、戦中とは変わり果てた世の中に疑問を投げかけます。人間が持つ「堕落」という性質は、たとえ戦争のような大きなことがあっても根本的には変わらないのではないか、という考えです。

戦時中は、生きることに必死で、娯楽や恋愛などを楽しむ余裕もありませんでした。しかし、平穏に暮らせるようになった今、人々は「考えること」「悩むこと」ができるようになったのです。自由とは何か、人間の強さとは何か、さまざまなことを考えさせられる作品です。

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