「スピリット」とは?意味や使い方をご紹介

日本を象徴するサムライ精神を意味する「Samurai Spirit」や、英国の愛国心の代名詞「Dunkirk spirit(ダンケルクスピリット)」など、「スピリット」は心に根ざした言葉です。今回はこの「スピリット」の意味や使い方、語源について解説します。

目次

  1. 「スピリット」とは?
  2. 「スピリット」の語源
  3. 「スピリチュアル(spiritual)」
  4. 「spirit」と「inspire」

「スピリット」とは?

「スピリット」の意味(日本語)

「スピリット」には次のような意味があります。 

  1. 精神。霊。生気。
  2. 「スピリッツ」と同義。

「スピリッツ」は「アルコール度数の高い蒸留酒」を指す言葉です。「スピリッツ」についてはリンクした別記事をご参照ください。この記事では、1の意味の「スピリット」について解説します。

「スピリッツ」とは?意味や使い方をご紹介

「スピリット」の使い方

  • 例:彼はファイティングスピリット(闘志)に溢れる選手だ。(英訳:"He is a player who is full of fighting spirit.")
  • 例:この絵画からは当時のフロンティアスピリット(開拓精神)を感じられる。(英訳:"From this painting you can feel the frontier spirit of the time.")

「スピリット」の語源

「spirit」は神の息

「spirit」の語源はラテン語の「spiritus(息、呼吸、魂)」で、これはヘブライ語の「 ルーアハ(移動する空気、息、風)」に相当します

例えば、旧約聖書の創世記2章7節には「神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹きこまれた。そこで、人は、生きものとなった」と書かれていますが、聖書においては、「風」や「息」は「神が与えるいのち」の象徴です。

「ルーアハ」やそれと同義の言葉は、「霊魂(spirit)」や「風(wind)」や「息(breath)」と訳されています。つまり、「スピリット(spirit)」は「神様が吹き込んだ息」なのです

「spirit」のニュアンス

語源を考えると、英語における「spirit」は宗教的なニュアンスがとても強く、「soul(魂)」に近い言葉であることがわかります。

同じ「心」や「精神」を表す単語でも「mind」は脳に存在する「考える力」や「理性」というニュアンスです。

  • 「the Japanese spirit」→「日本の
  • 「the Japanese mind」→「日本人の思考、考え方

身体が死んだ後に残るのは「spirit」=「霊魂」なので、「幽霊(ghost)」のことを「spirit」ということもあり、「Holy spirit」は「聖霊」、「evil spirit」は「悪霊」を指します。

「スピリチュアル(spiritual)」

「spirit」に「-al」をつけて形容詞にすると「spiritual」=「spirit(霊魂)に関するような」となり、転じて、「神聖な」「霊的な」「精神的な」「宗教的な」という意味で使います。
 

  • 例:寺社仏閣などのスピリチュアルスポット(霊的な場所)は海外の観光客にも人気だ(英訳:"Spiritual spots such as temples and shrines are also popular with overseas tourists.")

「spirit」と「inspire」

「インスパイア(inspire)」の語源

日本語としても使われる「インスパイア(inspire)」の語源はラテン語の「inspirare」です。「in(中に)」+「spirare(息を吹き込む)」=「inspire(神のように人の心の中に息を吹き込む)」という成り立ちで、この「spirare」が英語の「spirit」に相当します。

「インスパイア(inspire)」の使い方

日本語では「インスパイア(inspire)」は受動的に使われるケースが多いですが、英語では能動的に使われることが多いです。

語源を考えると、「神様(のような存在)が授ける」という能動的な使い方がもともとの使い方だったのでしょう。
 

例文 The teachings of Confucius still inspire us today.
能動的な日本語訳(直訳) 孔子の教えは今日も我々をインスパイアしている。
受動的な日本語訳 我々は今日も孔子の教えにインスパイアされている。


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