スピリッツとは?
「スピリッツ」とはジン、ラム、ウオッカなどの蒸留酒を指します。広義にはウイスキーやブランデー、焼酎も含めます。蒸留してエタノールを集めているので度数は30から50%程度と高めです。
四大スピリッツとは?
ウオッカ、ジン、ラム、テキーラが四大スピリッツと呼ばれています。
- ウオッカ…北欧、中央ヨーロッパ伝統。蒸留後濾過(ろか)しています。
- ジン…西欧起源。麦やトウモロコシ由来。香りづけ後に再度蒸留しています。
- ラム…カリブ海発祥。サトウキビなどを発酵させてから蒸留。独特の香り。
- テキーラ…メキシコ特産。リュウゼツランという植物からつくられます。
スピリッツの由来
「スピリッツ」は英語の「spirit(スピリット)」に由来します。「spirit」は魂や精神、心などの意味が知られていますが、有機溶剤やエタノールという意味もあります。なぜ「spirit」が蒸留酒を指すようになったのかは諸説あり、どれが正しいかはわかっていません。有名なものを紹介しましょう。
「蒸気=魂」説
有力な説は蒸留で得られるエタノールを魂にたとえているというものです。蒸留とは、沸騰する温度の違いで成分を分ける方法です。たとえば、水は100℃で沸騰しますが、エタノールは78℃で沸騰します。ということは78℃を保てばエタノールだけを取り出せますよね。専門的な理由で実際には100%にはなりませんが。
このように蒸留では一度蒸発させることで成分を取り出します。この過程で蒸気が飛んでいき別の場所に移る様子と、死後に魂が抜けて別の体に宿るイメージが似ていたため「蒸留で得られるもの=魂=spirit」となったと言われています。
「蒸留酒=命の水」説
もう一つの有力な説は、語源的なものです。多くの蒸留酒の語源は「命の水」という言葉です。たとえば、ウイスキーはアイルランド語やゲール語、ブランデーはフランス語でそれぞれ「健康の水」や「命の泉」です。蒸留酒が「命の水」であれば、蒸留酒の本質であるエタノールは魂そのものです。よって「spirit」と呼ばれるようになったとのことです。
スピリッツの使い方
「スピリッツ」の使い方はおおむね次のようになります。
- ストレートで飲む。
- 割材としてソフトドリンクやワインでカクテルを作る。
- 果物を付け込んで果実酒を作る。
- 料理に使う。
- パフォーマンスに火をつける。
ストレートで飲む
何も加えずにそのまま飲むことをストレート、またはショットといいます。度数の比較的低い40%程度の物で好まれる飲み方です。度数が高いものは危険なので注意が必要です。この飲み方の場合、チェイサーといって水やコーラなどを合わせて飲むことが定番です。
カクテルなどの割材
度数が高い「スピリッツ」はカクテルに良く使われます。ジンを使った「ジントニック」やラムから作られる「モヒート」が有名ですね。カクテルの割材には癖のないウオッカが好まれます。しかし、飲みやすい一方で酔いやすくもあるため、「レディ・キラー」という二つ名もあります。
果実酒の材料
「スピリッツ」は果実酒に使われることもよくあります。日本では焼酎に梅を漬け込んだ梅酒が有名ですね。リンゴやナシなどいろいろな果物で作られます。
料理に使う
お菓子の香りづけにブランデーと並んでよく使われるのが、ラム酒。独特の香りが好まれます。また、アルコールを飛ばすと甘くなるとも言われますね。ドライフルーツやジャムともよくあいます。
パフォーマンス
映画などではお酒に火をつけているシーンがありますよね。カップの中が燃えていたり、しみこませた角砂糖に火がついていたり。これも度数が高い「スピリッツ」だからできること。逆に言えばそれだけ可燃性がある危険な液体でもあります。写真を撮る場合にはくれぐれもご注意を。