「後ろ足で砂をかける」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは「後ろ足で砂をかける」という言葉をご存じでしょうか?まるで犬のトイレの仕方のような言葉ですが、もちろん意味は異なります。。今回はそんな「後ろ足で砂をかける」について、詳しい意味や具体的な使い方を例文とともにご紹介します。

目次

  1. 「後ろ足で砂をかける」とは?
  2. 「後ろ足で砂をかける」の使い方
  3. 「後ろ足で砂をかける」の類語

「後ろ足で砂をかける」とは?

「後ろ足で砂をかける」とは「去りぎわに迷惑をかけたり恩知らずなことをしたりする」ことのたとえとして使われることわざです。

お世話になって恩がある人に対して、裏切り行為をした上にその人に対して損になることや害になることをするようなことを表します。

「後ろ足で砂をかける」の由来

「後ろ足で砂をかける」は、犬や馬が走り去る時に、その後ろ足が砂を蹴散らして、最後に残るのは汚れた土であることに由来しています。

他の言い方として「後足(あとあし)で砂をかける」「後足で砂を蹴る」「後足で砂を浴びせる」などがあります。

「後ろ足で砂をかける」の使い方

「後ろ足で砂をかける」は本当は報いるべき恩に裏切り行為をするようなことを指して使います。恩知らずな人を批判していう時にも使われます。

「自分を振った相手の悪口を広めて後ろ足で砂をかけてやったよ」という風に、恩を受けたわけではなく、仕返しや腹いせをする時に使うのは間違いなので注意が必要です。

【例文】

  • 仕事がないという若者を自分の店で雇ってあげたら、金を持ち逃げして逃げてしまった。後ろ足で砂をかけるとはこのことである。
  • 長年指導してくれた恩師に対し、後ろ足で砂をかけるようなことをするのはやめなさい。
  • 熱心に面倒を見てくれた上司に後ろ足で砂をかけるように彼はライバル会社に転職した。

「後ろ足で砂をかける」の類語

「恩を仇で返す」

恩を仇で返す」とは「相手の恩義に報いないで、かえって害になるようなことをする。」という意味のことわざです。「」は「ひどい仕打ち」を表す言葉です。世話になったり、面倒を見てくれたり恩がある人を裏切ったり、迷惑になるようなことをする時に使われます。

「恩」を受けたのであるなら必ず恩返しをするべきである、という倫理的な考え方からできている言葉で、「恩を仇」「恩を仇でする」「恩を仇で報ずる」とも言います。反対に恨むべき人にかえって情けをかけることは「仇を恩で報いる」と言います。

【例文】

  • お世話になってきた人に対し恩を仇で返すようなことは決してしてはならない。
  • 彼は薬物の使用で逮捕され、両親への恩を仇で返した。

「軒を貸して母屋を取られる」

「軒を貸して母屋を取られる」とは「一部を貸したために、その全部を取られる」、「恩を仇で返される」という意味のことわざです。

「母屋」とは敷地内の中心になる建物や主人や家族が住む本屋のことを指します。軒先を貸しただけなのに、そのうちに家丸ごと乗っ取られてしまうことから来ています。「庇を貸して母屋を取られる」とも言います。

【例文】

  • 目をかけていた後輩に裏切られ、軒を貸して母屋を取られた心境である

「飼い犬に手を噛まれる」

飼い犬に手を噛まれる」とは「可愛がって面倒を見てきた者にひどく裏切られる」ことのたとえです。

毎日餌を与えたり、散歩に連れて行ったりと世話をしているのにも関わらず、その犬に手を噛まれることから来ています。かわいがっているからと気を許すと、いつ恩を仇で返されるかわからないことも意味しています。

「後ろ足で砂をかける」との違いは、「後ろ足で砂をかける」が裏切り行為をすることを表すのに対して「飼い犬に手を噛まれる」は裏切り行為をされることを指すところにあります。

【例文】

  • 彼は自分が紹介した会社をあいさつもせずにすぐ辞めてしまった。飼い犬に手を噛まれるようなものだ。
  • あの政治家は、待遇してあげていた秘書に告発されしまったそうだ。飼い犬に手を噛まれた思いに違いない。

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