「万全を期す」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

みなさんは「万全を期す」という言葉をご存じでしょうか。ビジネスシーンにおいては、大きなプロジェクトやイベントの前などに聞くことが多いかもしれませんね。今回は「万全を期す」の詳しい意味や使い方について、類語も交えて紹介します。

目次

  1. 「万全を期す」とは?
  2. 「万全を期す」の使い方
  3. 「万全を期す」の誤用
  4. 「万全を期す」の類語
  5. 「万全を期す」の対義語

「万全を期す」とは?

「万全を期す(ばんぜんをきす)」とは「少しの手ぬかりもないようにする」という意味の慣用表現です。手落ちやぬかりがないように、完璧な状態にすることをいいます。

「万全」とは、「少しも手落ちのないこと、きわめて完全なこと」で、あらゆる点で欠点がないことを意味します。

「期す」は「前もって期限や時刻を決める」、「あらかじめ覚悟する、決意する」などの意味を持つ言葉で、そうなるようにはかることを表しています。「期する」と表現することもできます。

「万全を期す」はこれら二つの言葉が組み合わさってできた言葉なので、「完全になるようはかる」という意味を持ちます。また不足や欠点がないようにすることは「完全を期す」といいます。

 

「万全を期す」の使い方

「万全を期す」は日常生活でもビジネスにおいても使われる言葉です。ビジネスでは仕事にぬかりが無いよう準備を行うことを表現したり、完璧にしてきたので失敗しませんと宣言したりする時などに使うことができます。

【例文】

  • 今回のプレゼンテーションには万全を期したつもりであったが、失敗に終わってしまい非常に残念である。
  • 健康に万全を期すためにも、定期的な健康診断をおすすめします。
  • 今後このような事故が二度と起こらないよう、万全を期して安全対策をしてください。
  • 万全を期して、もう一度チーム全員で作業工程を確認する。
 

「万全を期す」の誤用

「万全を期す」は、「万端を期す」と誤用されることがありますが、これは正しい表現ではありませんので注意しましょう。「万端」は、「ある物事についてのすべての事柄」という意味の言葉で「諸事万端」や「準備万端」のように使います。

 

「万全を期す」の類語

「念には念を入れる」

「念には念を入れる」とは「注意した上にもさらによく注意する」という意味の表現です。「間違いのないように気を配る」という意味の「念を入れる」を強めた言葉です。

「念には念を入れよ」は江戸版のいろはかるたの一つです。「念にも念を入れる」というと誤りになりますから注意が必要です。
例:怪我は大したことがなさそうだが、念には念を入れて病院に行くことにした。

 

「十二分に」

「十二分に」とは「十分すぎるほどたっぷりに」という意味の言葉です。「満ち足りて不足のないさま、充実して完全であるさま」を表す「十分」を、さらに強調した表現です。
例:今回の試験では十二分に自分の実力を発揮することができた。

 

「万全を期す」の対義語

「準備不足」

「準備不足」とは、「物事をする前に、あらかじめ必要なものをそろえたり態勢を整えたりして用意をすること」を意味する「準備」と「足りないこと、十分でないこと」を意味する「不足」が組み合わさってできた言葉です。「備えが十分でないこと」を表します。

 

「見切り発車」

「見切り発車」とは、「①電車やバスが、満員などの理由で乗客が乗り切れないまま出発すること」、「②必要十分な条件が整わないうちに、物事を次の段階に進めること」を表します。②の意味は、「万全を期す」の対義語といえるでしょう。

「中途半端」

「中途半端」は、「始めた物事が完了しないでいること」、「態度などが徹底していない、どっちつかずではっきりしない状態であること、そのさま」という意味です。

「中途」とは「進行する物事のなかば、ある期間のなかごろ」を示す言葉です。また、「半端」は「どちらともつかないこと」を指します。

「万全を期す」が完璧な状態を表すのに対し、「中途半端」は不完全であったり、道半ばであったりする様子を表しますから、これも反対の意味に近いといえましょう。

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