「類は類を呼ぶ」とは?
「類は類を呼ぶ(るいはるいをよぶ)」とは、「類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)」を誤って使った言葉です。誤用ですが、ネットなどで検索すると多くの人が使っているようすがうかがえます。
ただし、「類は類を呼び、友は友を呼ぶ」という言い方にすれば、「類は友を呼ぶ」の類義語になり、間違いではないようです。
「類(るい)」とは?
「類(るい)」とは、もともとは、似ているものどうし、同じ種類のものどうしを指す言葉です。「現代人の食事には、野菜の類が不足しがちだ。」のように、使われます。
「類」を使った言葉
【類がない】
比較するものが他にはない、という意味です。「このバラの美しさは、世界にも類がない。」のように、使われます。
【類に触る(るいにふる)】
縁故をたどる、という意味です。
「類は友を呼ぶ」とは?
「類は友を呼ぶ」とは、気の合う人たちや、趣味や好みが似ている人たちは、自然に集まってくる、という意味です。
良い仲間が自然と集まってくる場合にも使われますし、似たような悪い仲間がなんとなく集まってきてしまう場合にも使われます。
「類は友を呼ぶ」例文
- 昨日、友達とカラオケに行ったら、みんな同じミュージシャンの曲で盛り上がっていた。「類は友を呼ぶ」ということだね。
- 子どものクラスが一緒になって仲良くなったママ友が、同じ編み物の趣味を持っていることがわかって、もっと仲良くなったの。「類は友を呼ぶ」とはよく言ったものね。
- 隣のクラスのA君、最近学校をさぼりがちだと思ったら、良くない友達が集まる店に出入りしているらしい。「類は友を呼ぶ」んだから、そんなところには行かないほうがいいと思う。
「類は友を呼ぶ」類義語
【類を以て集まる】
似ている人どうしは、集まってくるということです。また、良い人の周りには良い人が、悪い人の周りには悪い人がだんだん集まってくるということも表します。
【牛は牛連れ、馬は馬連れ】
牛と馬では歩く調子が合わないけれど、牛と牛、馬と馬なら歩く調子を合わせることができる。だから、連れ立って歩くのがふさわしい。似た者どうしなら、うまく行くということです。
【似たもの夫婦】
夫婦になるような男性と女性は、趣味や好みが似ていることが多い、ということです。または、夫婦になって最初のうちはそれほど似ていなくても、一緒に暮らしているうちにだんだん趣味や好みが似てくることがあるということを表しています。
【目の寄る所へ玉も寄る】
目が動けば、それに合わせて瞳も動く。似たようなものは自然に集まるものである、ということを表しています。
【蓑(みの)のそばへ傘が寄る】
「蓑」は雨具の一種です。同じようなものは自然に集まるものである、ということです。
【その他の類義語】
- 類を以て相応す
- 同気相求む
- 同類相求む
- 類は類を呼び、友は友を呼ぶ
「類は友を呼ぶ」対義語
【鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)】
ニワトリの群れの中に一羽だけ鶴が混ざっているところから、たくさん凡人がいる中に、一人だけ優れた人物が混ざっていることを表します。
【掃き溜めに鶴(はきだめにつる)】
「掃き溜め」は、ゴミ捨て場のことです。つまらないもの、くだらないものの中に、目を見張るような優れた人や美しい人が混ざっていることを言います。
「類は友を呼ぶ」英語での表現
- Birds of a feather flock together.(同じ種類の羽毛を持つ鳥は群がる)
- Great minds think alike. (素晴らしい考えは、違う人も同じように考えるものだ)
- Like attracts like.(似ている人は似ている人に惹かれる)