「君子危うきに近寄らず」とは?意味や使い方をご紹介

「君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)」は、ことわざの中でもかなりポピュラーなもののひとつです。だからこそ今更意味を聞きにくい、なんてこともあるのではないでしょうか。本記事では「君子危うきに近寄らず」の意味や使い方、類語や反対語などを解説します。

目次

  1. 「君子危うきに近寄らず」の意味
  2. 「君子危うきに近寄らず」の使い方
  3. 「君子危うきに近寄らず」の類語
  4. 「君子危うきに近寄らず」の反対語
  5. 「君子」に関することわざ

「君子危うきに近寄らず」の意味

「君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)」という言葉を、みなさんも一度は耳にしたことがおありだと思います。「君子」とつくからには中国発祥の言葉かと思いきや、「君子危うきに近寄らず」は日本で生まれたことわざです。

そもそも「君子」とは古代中国より用いられた「人間の理想像」の名称です。素晴らしい人格や教養を持った人物を表す「聖人君子」という四字熟語がありますが、「聖人」とは完璧な知徳を持った人物のこと。そして次に学識に優れているとされるのが「君子」です。

したがって「君子危うきに近寄らず」とは、「賢く立派な人物は、身を慎み守って危険は冒さない」という意味のことわざなのです。

「君子危うきに近寄らず」の使い方

では「君子危うきに近寄らず」を使った例文を挙げてみましょう。「私はうますぎる話には乗らないことにしている。君子危うきに近寄らずだ」「君子危うきに近寄らずとばかりに、彼はギャンブルの誘いをいつも断っている」

ポイントとなるのは“危うき”の定義です。命の危険や怪我の恐れなど、私たちの身の回りにはさまざまな危険が存在していますね。しかし「君子危うきに近寄らず」の“危うき”はもう少し広い意味で、“あらゆるリスク”と解釈するのが妥当です。

つまり「命や身体に関わることはもちろん、身の破滅や何らかの損失・損害に繋がりそうなことなど、リスクのある行為はあらかじめ避けるのが賢い人間のすることだ」ということです。もっと言えば、何がリスクになり得るかを理解していることも、賢者の条件なのかもしれません。

「君子危うきに近寄らず」の類語

“危ういものは避けるべし”という意味のことわざは、「君子危うきに近寄らず」以外にもたくさんあります。例えば、「危ないことは怪我のうち」は、「怪我をしそうな危ない行為は怪我と変わらないので、するべきではない」という意味のことわざです。

また「触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)」は、「物事に深く関わらなければ、災いを招くこともない」という、「君子危うきに近寄らず」よりもかなり消極的なニュアンスのあることわざです。

瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)」は、ウリの生る畑やスモモの木の下で紛らわしい行為をすると泥棒に間違われる危険がある、つまり「他人から疑われるような行為はするべきではない」という意味で、これも危機回避法のひとつと言えます。

ことわざではありませんが、「桑原、桑原(くわばら、くわばら)」というちょっと面白い言葉もあります。これは元々雷を避けるためのおまじないだったのですが、転じて忌まわしいことを回避したいときに唱えるようになりました。

「君子危うきに近寄らず」の反対語

「君子危うきに近寄らず」の反対語は「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」です。虎のねぐらに入らなければ虎の子を得ることは出来ない、つまり「危険を冒すのを恐れては望むものを得ることは出来ない」という意味のことわざですね。

「君子危うきに近寄らず」とは完全に意味が対立しているようにも思えますが、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の場合、危険を冒す目的が確固としているのがポイントです。リスクを承知で目的のために虎穴に入るのと、安易な気持ちで危うきに近寄るのとは別だということですね。

「君子」に関することわざ

中国の古い書物には君子のありように関する言葉が数多く認められています。例えば「君子の過ちは日月の食の如し(くんしのあやまちは じつげつのしょくのごとし)」は、君子は自身に過ちがあっても日食・月食がすぐに光を取り戻すようにこれを改め、また人々から慕われるようになるという意味の言葉です。

また「君子は周して比せず、小人は比して周せず(くんしはしゅうしてひせず、しょうじんはひしてしゅうせず)」とは、君子は広く人と親しむが小物は少人数で党派を組むものであるという意味です。このように、君子のありようを述べた言葉は現代にも通用するものなので、みなさんも興味があればぜひ調べてみてくださいね。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ