「不毛」の意味
「不毛」の意味は以下のとおりです。
- 土地がやせていて作物や草木が育たないこと。また、そのさま。
- なんの進歩も成果も得られないこと。また、そのさま。
「不毛」は1のように土地の状態を表す場合と、2のように物事に実りがないことを表す場合があります。
「不毛」の使い方
- こんな不毛な土地で農業はするべきではない。
- 不毛な会議はする意味がない。
2の意味での「不毛」は汎用性が高いため、みなさんもどこかで使う機会があるのではないでしょうか。「不毛な会話」「不毛な議論」「不毛な努力」など、とにかく得るものがないときに用いられる表現です。
ニュアンスとしては「無駄」に近いですが、得ようとして得られない「不毛」にはそこはかとない徒労感が漂います。
「不毛」と「不作」の使い分け
「不毛」に似た言葉に「農作物の出来が悪いこと」を意味する「不作」があります。不毛が土地の状態を表すのに対し、不作は作物の出来の良し悪しを表しています。
また、「例年よりも収穫量が著しく少ない」という意味の「凶作」という言葉もあります。こちらは土地の肥痩(ひそう)ではなく、天候の影響などで実りが少なかったことを表しています。
「不毛」の由来
「作物や草木が育たない」「なんの進歩も成果も得られない」という意味に、なぜ「毛がない」という表現である「不毛」が使われたのでしょうか。
実は「毛」という漢字には、「いきものの表皮にはえるもの」という以外に「草木が生えること。穀物のみのり」という意味もあるのです。
たとえば、1年の間に同じ耕地で別々の農作物を育てることを「二毛作」といいますよね。この「毛」も、やはり穀物のみのりを表しています。
「毛」には「わずか」という意味も
「毛」にはほかにも、「毛のように細くて小さいもの。わずか」という意味があります。「毛の先ほどもない」という意味の「毛頭ない」という表現がこの例です。「主張を変えるつもりは毛頭ない」などと使われます。
「不毛」の対義語
「不毛」の対義語は「肥沃(ひよく)」です。「肥沃」は、「土地が肥えていて、農作物がよくできること。また、そのさま」という意味の熟語です。
ただし「肥沃」は土地の状態を表す言葉なので、「不毛な会議」という表現はできますが、「肥沃な会議」という表現はできません。
「得るものがある」という意味では、以下のような表現が使用可能です。
- 実りある
- 豊かな
- 収穫
- 有意義
- 充実
「不毛」の類義語
「不毛」の類義語には、以下のようなものがあります。
- 荒涼、荒漠
- 無駄、虚しい、無益、徒労
1が「作物や草木が育たない」という「不毛」の類義語で、2が「なんの進歩も成果も得られない」という「不毛」の類義語です。
「不毛」の英語表現
「不毛」の英語表現は、以下のとおりです。
- sterile、barren、waste
- barren、fruitless
【使用例】
- We can't engage in agriculture in the barren land.(不毛な土地では農業ができない。)
- I hate a fruitless discussion.(私は不毛な議論が嫌いです。)
「肥沃」の英語表現
次に「不毛」の対義語である「肥沃」の英語表現を見ていきましょう。「肥沃」を英語で表すと、以下の表現になります。
- fruitful、fat、productive、fertile、richness
【使用例】
- We can engage in agriculture in the fertile land.(肥沃な土地で農業をすることができる。)