「適用」とは?意味や使い方をご紹介

「適用」という言葉の意味をご存知でしょうか。「〇〇に適用する」などの形で、よく使われています。読み方が同じ「摘要」と、混同しがちな言葉です。ここではそんな「適用」の意味や使い方を、「摘要」との違いも含め、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「適用」の読み方
  2. 「適用」の意味
  3. 「適用」の使い方
  4. 「適用」と混同しがちな言葉
  5. 「適用」の類義語

「適用」の読み方

まず「適用」は、「てきよう」と読みます。「用」に関しては、訓読みで「もち(いる)」と読みます。「適」も「用」も様々なところで使われている、比較的、見かけやすい字ですね。

「適用」の意味

「適用」とは、法律やルールや原理などを、当て嵌めて用いることを表します。たとえば車でスピードを出し過ぎると、警察に捕まりますよね。それは車の運転手に、道路交通法という法律が当て嵌められ、用いられた結果です。そのようなことを「法律の適用」と言います。

原理という部分に関しては、たとえば数学の問題を解くとき、公式に当て嵌めたりします。それが公式、引いては原理の「適用」です。

言葉にすると少々分かりづらいかもしれませんが、何気なく日常生活を送っていても、そこには税金や諸手当などを始めたとした、様々な決まりごとが「適用」されているかと思います。そういった意味では、馴染み深い概念だと言えるでしょう。

「適用」の使い方

「適用」は名詞であり、多くの場合、サ行変格活用されて使われます。他には「適用」を含む言葉として、「適用範囲」、「適用除外」などが挙げられます。

「適用」の例文

  • 「このルールを、グループ内に適用させて欲しい」
  • 「彼が考えた決まりを、適用したいと思う」
  • 「パソコンで文書を作り、テーマを適用する」
  • 「福祉法を適用せねばならない」

「適用範囲」について

「適用範囲」とはそのまま「適用する範囲」なのですが、たとえば法律なら、その法律が効力を発揮する領域を表します。

他にはワードなどで文書を作るとき、指定した領域の文字色を変えたり出来ますよね。その領域のことを、文字色を変えるという機能の「適用範囲」と言います。またこの言葉は「内」や「外」と組み合わせ、「適用範囲内」や「適用範囲外」という形でも使われます。

「適用除外」について

「適用除外」とは、法律などの規定の外におくことや、適用の対象として定めないことを表します。たとえば労働時間に関して、日本では色々と細かな決まりが定められていますが、農業などの場合、時間の決まりが他と違います。

これは農業が、労働基準法の一部の「適用除外」なわけです。また同じ意味で、「適用外」と表現される場合もあります。

「適用」と混同しがちな言葉

「適用」と混同しがちな言葉には、「摘要」や「適応」などがあります。特に「摘要」は読み方が同じなので、紛らわしい言葉です。

「摘要」について

「摘要」とは、大切な箇所を抜き出して書くことです。また、その抜き出して書いたものを表します。ちなみに「摘」は良いものを選んで取り出す、「要」は大切な部分などの意味を持っています。

この言葉は「摘要欄」などの形で使われ、「摘要欄」とは要点を抜き出して記す欄のことです。「適用」とは、まったく別の意味や使い方ですね。

「適応」について

「適応」は「てきおう」と読み、この言葉は大きく分けて、以下の二つの意味を持っています。

  1. その状況に合うことや、その条件に当て嵌まること
  2. 環境に応じた生物の変化
まず一つ目の意味に関して、たとえば「要求に適応した文献を探す」と使えば、「要求に当て嵌まる文献を探す」と伝わります。当て嵌まるという部分は「適用」と似ていますが、意味するところは大きく異なりますね。

二つ目の意味に関しては、「環境に適応する」などの形で使われ、生物の性質や習性が変わることを表します。

「適用」の類義語

「適用」の類義語には、「応用」や「施行」などがあります。

「応用」について

「応用」は「おうよう」と読み、原理や知識を、実際の事柄に当て嵌めて用いることを表します。数学の問題を解くときの「公式を適用する」は、「公式を応用する」と言い換えられますね。他にも原理や知識を当て嵌めるときは、「適用」の言い換えとして使われたりします。

「施行」について

「施行」は「しこう」や「せこう」や「せぎょう」と読み、いくつかの意味を持っていますが、中でも法令の効力を発生させることという点は、「適用」に通じるところがあります。

たとえば「新しい法律を施行します」と使えば、「新しい法律の効力が生じ、対象に適用されます」というような意味になります。


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