「黄昏」とは?
「黄昏」は「たそがれ」と読みます。
「黄昏」には次のような意味で使われます。
- 夕方の薄暗い時間帯
- ピークを過ぎた後の勢いが落ちていく頃
- ぼんやりと物思いにふけっている様子
このうち、3の「物思いにふける」という意味は辞書には載っていません。そのため間違いといえば間違いです。しかし、今では一番多く見かける意味です。言葉は生き物なので、いつか辞書に載るかもしれませんね。
「黄昏」の使い方
「黄昏」を使った例文を紹介します。基本的には名詞として使われますが、「物思いにふける」の意味では「黄昏る」の形で動詞化されます。また、最後に「時」や「期」を伴うことも多いです。
1.時間帯の場合
「もう黄昏時だね。」
「黄昏が迫っている。」
2.勢いが落ちてきている場合
「私はすでに人生の黄昏期に差し掛かっている。」
「黄昏て覇気がない。」
3.物思いにふける場合
「あの人また黄昏ているね。」
「黄昏ているけど何かあったの?」
「黄昏」の由来
街灯のない時代、「黄昏」の時間帯は今よりも薄暗く不気味であったようです。逆光や影で人の顔もわかりにくかったのでしょう。人に会った時に「誰ですか?」と尋ねることも多かったそうです。「誰ですか?」は昔の言葉で「誰そ彼」といいました。この「誰そ彼」が「たそがれ」に変わっていったと言われています。
同様に、「黄昏」の別名「かわだれ時」もここに由来します。「誰そ彼」の代わりに「彼は誰?」と質問することもあったようです。この「彼は誰」が「かわたれ」になったとされています。
「黄昏」を英語で
「黄昏」の英語表記を紹介します。意味によって英語表記も変わるので、意味ごとに分けて説明していきます。
夕暮れの場合
「夕暮れ」という意味だと「evening(イーブニング)」が一番有名です。あいさつの「good evening」の「evening」です。
次に有名なのは「twilight(トワイライト)」でしょう。ただし、この「twilight」には1つ注意することがあります。「twilight」の語源は元々「2つの光」です。太陽の光と月の光、その2つの間に挟まっている時間帯を指します。つまり、「夕暮れ」だけでなく「朝焼け」も指してしまうのです。誤解されたくない場合には説明を付けたほうが良いかもしれませんね。
「dim(ディム)」と「dusk(ダスク)」はどちらも「黄昏」だけを表す言葉です。そのほか「暗い」や「ぼやけた」、「ゆううつな」などの意味もあります。
「afterglow(アフターグロウ)」も「黄昏」を表す言葉です。また、こちらは「過去の栄光」のような意味も持っています。
「sunset(サンセット)」は「黄昏」という時間帯ではなく「日没」を指す言葉です。
ちなみに「黄昏」の対義語は「dawn(ドーン)」です。
ピークを過ぎた後の場合
「ピークを過ぎて勢いが落ちていく」という意味の場合も「twilight」を使うことができます。人生の晩年の意味で「one`s twilight years」や「the twilight years」などが使われます。
また、「衰退する」という捉え方をすれば「decline(ディクライン)」も使えます。「fall into a decline」や「move into decline」で衰退するという意味です。「衰退期」なら「decline period」や「phase of decline」などでしょうか。
物思いにふけるの場合
正式な意味ではありませんが、「物思いにふける」という意味での英語訳も紹介します。
「物思いにふける」は「lost in thought」です。「lost(ロスト)」は「負けた、失った」という意味で使われることが大いのですが、この場合は「ぼんやりしている」や「没頭している」という意味です。
同様の表現に「sink in thought」や「lost in reverie」などがあります。「reverie(レヴァリー)」は空想や幻想という意味です。