「精進」とは?
「精進」には
- 雑念を取り去って一心に修行すること
- 一定の期間身を清め、行いを慎むこと
- 肉類を食べずに菜食をすること
- 努力し続けること
- 一つの物事に集中して励むこと
「精進」の使い方
「精進」にはたくさんの意味があって、いまいち使い方がわかりにくいですよね。それは「精進」が一般的な意味と仏教用語としての意味の2種類を持つからです。
仏教用語の「精進」
「精進」が仏教用語として使われる時は「身を清めて修行すること」の意味になります。上記の説明にある「雑念を取り去って一心に修行すること」「一定の期間身を清め、行いを慎むこと」がこれにあたります。
一般的な「精進」
「精進」が一般的に使われる時は「一心に打ち込むこと」という意味になります。上記にある「努力し続けること」「一つの物事に集中して励むこと」がこれにあたります。
使い方の例として「彼はもっと精進する必要がある」「これからは学問に精進します」といった文章が挙げられます。
「精進」の由来は?
仏教用語でサンスクリット語の「ビーリヤ」を意訳したのが「精進」になりました。「ビーリヤ」には「強い男の状態」「男らしさ」の意味があります。仏教においては「エネルギー」や「勤労」と関連づけられる言葉だと言われています。
「精進する」とは何をするのか?
「精進」が仏教用語で修行に励むことであると説明しましたが、具体的に修行とは何をするのでしょうか。仏教の始祖である「ブッタ」は正しい努力を4つの行為に分け、「四精進」と言いました。「四正勤」「四正断」「四意断」とも訳されます。
- 断断…悪いことをしている自覚があるなら直ちに止めよう
- 律儀断…まだ悪いことをしたことが無いのなら、今後も罪を起こさないようにしよう
- 随護断…善行為をしたことがない人は、これから始めてみよう
- 修断…善い行いをしている人はそれを続けて、広めていこう
「精進料理」
「精進」の持つ「菜食」の意味から、肉類を使わず野菜や海藻などの植物性食品を材料とした料理を「精進料理」と言います。仏教では殺生が禁じられているため、魚や獣、鳥など動物性の食材を用いないのが原則です。さらにお酒や、においの強いネギなどの野菜も煩悩を刺激するとして避けられています。
「精進」の関連語
「精進明け」
「精進明け」は「精進落ち」とも言い、親類に不幸があって喪に服し精進料理を摂っていた人が通常の食事に戻ることを言います。昔は親族が亡くなった時は仏教の思想から肉や魚を断ち、精進料理を食べていました。四十九日の忌明けになると通常の料理に戻します。
「精進固め」
「精進固め」とはお盆やお彼岸の精進する期間の前に、魚や肉類を食べておくことです。お盆やお彼岸は先祖供養の行事で、命に感謝する日とも言えます。そのためお盆やお彼岸は殺生をせず、精進する慣わしがあります。
「精進」の英語表現
「精進」を「努力する」の意味で使う場合には"effort"で表せます。
- She is not making enough effort.(彼女はまだまだ精進が足りない)
- I want you to make further efforts in the future.(今後いっそうの精進を求めたい)
「一つの物事に集中して取り組む」の意味で使う場合の「精進する」は"devote oneself to~"で表現します。
- I devote myself to piano practice.(私はピアノの練習に精進します)