「ファボ」の意味
「ファボ」は大手SNSであるTwitterで使用されている用語のひとつ。2015年11月まで、Twitterにはつぶやきを登録保存する「お気に入り」という機能がありました。ユーザーはこの機能を、お気に入りの英訳であるfavoriteを省略してファボ(favo)と呼んでいたのです。
2015年11月4日以降は「お気に入り」から「いいね」に仕様変更され、「ファボ」という用語を使わないユーザーも増えてきましたが、まだ死語というほど廃れてはいないようです。
試しにTwitter上で「ファボ」と「いいね」をそれぞれ検索してみると、概ね前者は数十秒おき、後者は数秒間隔で使用されていることがわかります。「ファボ」をひらがなで「ふぁぼ」と表記するユーザーも含めると、まだかなりの数の人間が「ファボ」を使用していると言えるでしょう。
ただし「ファボ」の別表現である「星を飛ばす」は現在ほぼ使われていません。これはお気に入り登録のアイコンが星マークだったことに由来する表現で、「いいね」に仕様変更後はアイコンがハートマークに変わったためです。
「ファボ」を使った例文
「ファボ」は基本的に、お気に入りに登録したツイートやお気に入り機能そのものを指す名詞として使用されます。「ファボを見返してにやにやする」「ファボが一時的に使えなくなる」といった使い方ですね。
ただしラ行五段活用によって、ファボは以下のように動詞として使うこともできます。
- ファボらない
- ファボります
- ファボるとき
- ファボれば
- ファボろう
上記は自身がツイートをお気に入りに登録する場合の表現ですが、他者が自身のツイートをお気に入りに登録した場合は「ファボられる」と表現します。
また、お気に入り登録はアイコンをワンクリックするだけで行えるため、手元が狂うなどして誤ってファボってしまうことがあります。これを“誤ファボ”といいます。
ツイートがお気に入りに登録されたことを通知する設定にしているユーザーもいるため、誤って他者のツイートをお気に入りに登録してしまったら、登録解除をしたうえで「誤ファボすいません」とツイートやリプライで知らせると丁寧ですね。
「ファボ」の使用法①
では、ファボはどのような際に使用する機能なのでしょうか。まず、最もスタンダードなのは“ツイートの内容を気に入ったとき”でしょう。
笑えるツイートや為になるツイートはもちろんですが、Twitterは画像や動画を貼り付けて投稿できるため、写真やイラスト、動画などを気に入ってファボることも少なくありません。
特にTwitterはその他のSNSと比べてサブカルチャー色が強いため、いわゆる“絵描き”と呼ばれるイラスト投稿者のツイートには、多数のファボが集まることもあります。
「ファボ」の使用法②
賛同や共感を表す際にもファボが多用されます。例えば「同意だけど、わざわざリプライ(返信)してまで示すほど強い同意でもない」あるいは「共感したけど、全く知らないユーザーのツイートだからリプライまではしたくない」という場合にファボを使います。
ファボはワンクリックで該当ツイートへの肯定を示せるため、手軽な上に気遣いのいらないコミュニケーションツールなのです。
「ファボ」の使用法③
親しいユーザーとリプライの応酬になったとき、会話を終わらせる手段としてもファボが使用されます。具体的には、相手のリプライに対してそれ以上リプライをせず、ファボだけするという手法です。
これの意味するところは「あなたとのやり取りは楽しかったけれど、キリがないので一旦ここで会話を終わらせますね」といったところです。あくまで好意的に会話を終わらせたい場合に使用されます。
「ファボ」の使用法④
Twitterのヘビーユーザーは、ファボをメモとして使用することも。例えば「メモ:卵、にんじん、きゃべつ、じゃがいも」などとツイートしておき、自身でそれをお気に入りに登録します。その後買い物先でお気に入りリストを開き、ツイート内容を確認して買い物をするといった使い方です。
メモ機能くらい携帯電話にも付いているだろうとも思いますが、ヘビーユーザーからすれば、Twitterの方が断然身近で使い勝手がよいのです。ただしツイート内容は他のユーザーの目にも触れるので、走り書きであってもあまり個人的な内容は投稿しない方がよいでしょう。