「ロマンチック」の表記と意味
「ロマンチック」の表記
表記に厳密な規定がないため、主に2つの表記法があります。「ロマンチック」と「ロマンティック」の2つ。前者は日本語で発音しやすい表記、後者は原語に近い表記に従っています。世代によって、それぞれに抱く印象は異なるかもしれませんね。
「ロマンチック」の意味
多くの人が思うように現実離れした夢みたいなこと、恋愛感情を伴った気持ちを意味する言葉です。
面白いことに原語の英語と日本語では、文の中での使われ方が異なります。英語の「romantic」は形容詞/名詞ですが、日本語では形容動詞として使われることが多いでしょう。
- It's a romantic relationship.
- Oh, Tom, your're such a romantic!
- 彼女は、誕生日に年の数だけ花束をくれるようなロマンチックなタイプが好きです。
- 彼は、ああ見えて実はロマンチックだ。
- そんなロマンチックなことばかり言ってないで現実を見てみなさい。
「ロマンチック」な5つの外国の言葉
ここからは、ロマンチックな言葉と、楽曲名に見られる「ロマンチック」を紹介していきます。
ロマンチックな言葉
CAFUNÉ/カフネ(ブラジル語)
愛しい人の髪の毛に指を絡める仕草
MÅNGATA/モーンガータ(スウェーデン語)
水面に照らし出された月明かりがまるで道のように見える様子
TIÁM/ティヤム(ペルシャ語)
初対面で何か特別なものを感じた場合の瞳の輝き
SZIMPATIKUS/シンパティクシュ(ハンガリー語)
初めて会ったのに、なぜだかその人が良い人だと感じた時に使われる
KILIG/キリグ(タガログ語)
まるでお腹の中に蝶がひらひらと飛び回っているような気分
ドラマで使われた「ロマンチック」なセリフ
ボクは死にましぇん
浅野温子さんと武田鉄矢さんのダブル主演による『101回目のプロポーズ』。1991年に放映され、その年の新語・流行語大賞において金賞を受賞した、あのセリフは有名です。
第6話の終盤に達夫(武田鉄矢)が迫り来るダンプカーの前に、突然飛び出し、間一髪のところで停止した瞬間に言い放ちます。薫(浅野温子)は、恋人を失うことが怖くてなかなか一歩を踏み出すことができませんでした。
- 「ボクは死にましぇん。ボクは死にましぇん!あなたが好きだから、ボクは死にましぇん。ボクが、幸せにしますから!」
たとえ明日、あなたの気が変わったとしても
2000年に放映された松嶋菜々子さん主演の『やまとなでしこ』。最高視聴率は30%を超えるほどの人気ぶりでした。夢を絶たれて実家の魚屋を継いだ中原欧介(堤真一)の前に神野桜子(松島奈々子)が現れますが、彼女はセレブを夢見る女性。最終回において、優柔不断な欧介がストレートに愛を告白します。
- 「僕はもう逃げません。あなたが好きです。たとえ明日、あなたの気が変わったとしても。」
そんなの一択だろ!
2018年において多くの人の関心をさらった『花のち晴れ~花男Next Season~』。「花男」の続作として描かれた漫画が原作のドラマで、第9話では、天馬(中川大志)に襲撃事件の黒幕の正体を告げるも信じてもらえなかった音(杉咲花)。その時、神楽木晴(平野紫耀)は音がいる目の前で、天馬に放った一言です。
- 「そんなの一択だろ! 好きな女の言うことを信じなくてどうする!」
「ロマンチック」と「音楽」
「ロマンチック」という言葉が楽曲のタイトルとして多く用いられたのは1980年代であり、現在では積極的に使われない言葉と思われがちです。しかし、2008年にリリースされた、いきものがかりの楽曲にも使用されており、まだまだその地位を保っています。
C-C-B:『Romantic(ロマンティック)がとまらない』
今ではおそらく放映することが難しい青春ドラマに入る、「毎度おさわがせします」のテーマ曲。誰もが抱える青春の悶々とした思いをストレートに描いた作品です。美熟女として名の挙がる中山美穂さんの若かりし姿を見ることができます。相手役を演じたのは、横山やすしさんの息子である木村一八さん。
橋本潮:『ロマンティックあげるよ』
30代~40代の男性にとっては懐かしいことでしょう。アニメ『ドラゴンボール』のエンディングテーマ曲として、アニメの放映が終わるまで使われてきた楽曲です。アニメ通として知られる中川翔子さんが『しょこたん☆かばー~アニソンに恋をして。~』においてカバー。
いきものがかり:『気まぐれロマンティック』
上戸彩さん主演の『セレブと貧乏太郎』のドラマ主題歌。民放ドラマにおいて楽曲が採用されたのは、これが初めてです。飾らない言葉で恋人への素直な思いが歌われていて、多くの女性の共感を誘います。ライブ開催時は、会場が沸き立つ楽曲の1つとして有名。
「ロマンチック」についてのまとめ
ロマンチックという言葉が隆盛を極めたのは1980年代の頃。しかしながら、ロマンティックという表記は、まだまだ現在においても楽曲のタイトルとして使われています。ロマンチックな言い回しは時代は変わっても、いろんな形で存在していくことになるでしょう。