「モチベーション」とは
「モチベーション」は
- 物事を行うための動機を与えること、動機づけ
- 動機、やる気、意欲
「1」は外部から動機を与えることです。一方「2」はその人の内部から生まれる動機や意欲です。
語源はラテン語で動くを意味する「movere」で「モチベーション(motivation)」に含まれる「mot-」が使われる英単語は「motor(モーター)」、「motorcycle(オートバイ)」、「motison(動作)」、「promotion(プロモーション、促進)」、「emotion(感情=心が動く)」など「動く」ことに関わる言葉が多数あります。
ラテン語「movere」の英語版にあたる「move」はまさに動くという意味、「movie」は映画、動画という意味です。
「mobi」への変化も見られ「mobile」(携帯電話=動かせる電話)、「automobile」(自動車)などもあります。
なお、日本語では略して「モチベ」といわれることもあります。
「モチベーション」の用例
「動機」は「ある・ない」で表現されることが多い一方、「モチベーション」は「ある・ない」に加え「上がる・下がる」で表現されることが多いです。
- 模試の結果が良く、受験勉強に対する「モチベーション」が上がった。
- 就職活動がうまくいかず応募する「モチベーション」がなくなった。
- 賞与がなくなり仕事の「モチベーション」が下がっている。
「モチベーション」の種類
「モチベーション」は心の動きに関することのため物理法則のように明確ではありませんが、以下のような考え方がされています。
1つは人間の本来的な欲求が元になっているという考え方です。生きる欲求→安全への欲求→社会と繋がる欲求→周囲から認められたい欲求→自己実現欲求と、欲求や動機、「モチベーション」は発達していくというものです。これは「マズローの五段階欲求説」と呼ばれます。
2つめは「満足」と、「モチベーション」を下げる「不満足」は別のものという考え方です。給与を高くして「モチベーション」を上げても、人間関係が悪くて退職する、といった例が挙げられます。
「アンダーマイニング現象」「エンハンシング現象」という現象も知られています。「アンダーマイニング現象」とは自主的に勉強していたところへ、良い成績を取ることに対して金銭的報酬を与えると逆に「モチベーション」が下がることです。「エンハンシング現象」は金銭的報酬ではく「褒める」といった無形の報酬を与えると「モチベーション」が上がることです。
「叱られるから宿題をする」といったいわゆる「アメとムチ」の「ムチによるモチベーション(動機付け)」は典型的です。一方、「周りが勉強しているから自分も勉強する」「周りが就職先が決まっていく中で自分だけ決まらないのは嫌だから就職活動をする」という「流されるモチベーション」もあります。このような「外部からの動機付け」は必ずしも意図的に行われているとは限らず、環境要因によるものもあります。
「モチベーション」を与える方法「インセンティブ」
「インセンティブ」は外部からの動機付けのことです。「アメとムチ」のうち「アメ」により「モチベーション」を外部から与える刺激として用いられます。
ただし既に紹介した金銭的報酬がモチベーションを下げる「アンダーマイニング現象」と同様に、「インセンティブ」も必ずしも有効でないことが知られています。これについては別記事に解説があります。
「インセンティブ」とは?意味や使い方を「モチベーション」との違いも含めてご紹介
https://word-dictionary.jp/posts/703
「モチベーション」まとめ
生活や仕事の中で「モチベーション」を保っていくことは重要ですが、外部から「モチベーション」を上げようとして行うことが、逆に下げることもありますので注意が必要です。
また常にモチベーションが高い状態を無理して維持し続けるのではなく、オン・オフの切り替えも重要でしょう。