「モブキャラ」の意味?
ですが、そこから転じて最近では単に役名がない脇役や、影が薄い登場人物のことを揶揄して用いられることもあります。こちらはちょっと単なる「エキストラ」とは呼びにくい存在の人物ですよね。
その他にも、話題性を狙って脇役ではないけれど脇役的にちょっとだけ出るメインキャラクター、つまり同じ制作会社の別アニメに少しだけ登場する、他のアニメの主人公なども「モブキャラ」と呼ばれたりする事があります。
「モブキャラ」の由来
まず、「モブ」はアニメーター用語です。観客席などにウジャウジャと人がいる状態、いわゆるその他大勢を「モブ」と呼び、そのモブが登場するシーンを「モブシーン」、「モブシーン」に登場するキャラクターを「モブキャラクター」と呼んでいました。
「モブ」は造語ではなく、実際にある英語で「mob」と辞書に可算名詞で載っています。本来の意味は「破壊的行動をしかねない無秩序な群衆」や「理性的でなく、絶えず意見が変わる下層民」という意味を持ちます。英語で「mob scene」と言えば、「群衆が騒ぎを起こす場面」のことを指します。アクション映画などでお馴染みのシーンです。
ですが、「モブキャラクター」という言葉は英語には無いため、日本で発生した和製英語であると言えます。
「モブキャラ」の使い方
では、この「モブキャラ」という言葉はどんな時に使うのでしょう。製作者側の人が使う場合と、見ている人が使う場合に分けてみてみましょう。
製作者側が「モブキャラ」を使う場合
- この場面は、モブキャラもきちんと描き込みしたい。
- これからモブキャラを使ったシーンの撮影をするよ。
見ている側が「モブキャラ」を使う場合
- この前の第二回放送の時の「モブキャラ」がとても良かったから、この作品は良い作品だと思う。
- あの「モブキャラ」はとても可愛いね、気に入った。
- このアニメのモブキャラは細部まで書き込みが丁寧だね。
「モブキャラ」が成長することもある?
「モブキャラ」は端役ではあるのですが、逆に後々人気が出てサブキャラになったキャラクターもいます。有名どころでは『名探偵コナン』の高木刑事などがそうでしょう。最初は「モブキャラ」だった高木刑事が、今では重要なサブキャラクターへと変貌しています。そういった意味では端役の「モブキャラ」であってもよく注目して見ていくと案外面白いかもしれません。新たに大好きなキャラを見つけることが出来たり、製作者のセンスの良さを改めて感じさせられたりすることがあるかもしれませんね。
「サブキャラ」と「モブキャラ」の違い
主人公ではないという意味では「サブキャラ」の存在がありますよね。「モブキャラ」との違いは、「モブキャラ」は基本的にセリフがないことです。映像として出てきますが、その中では一切喋りません。ここが「サブキャラ」と大きく違います。
ただし、最近は「モブ声優を目指しませんか」という広告が出ることもあるので、以前の喋らないという前提はかなり崩れかけてきているようです。
「モブかわ」という言葉も
「サブキャラクター」でもないのになぜか目立っているとても可愛いらしいキャラなどは「モブかわキャラ」と呼ばれたりします。