「顔フェチ」とは
「顔フェチ」とは、人の顔の一部分に対して、特に性的な魅力を感じること、あるいはそういう嗜好を持った人を指す言葉です。顔にはいろいろなパーツがあります。目、鼻、耳、口、眉毛など、人によってその好みは千差万別です。
あの人の目が好きとか、口元が好き、鼻の形がいいなどと言って、自分にとって相手のいいところ、好きなところにただ魅力を感じるだけでなく、その部分に執着して、性的な興奮を覚えたりすることを「顔フェチ」と呼びます。
「フェチ」には、「顔フェチ」以外にもいろいろな「フェチ」がありますが、一体どんな意味があるのでしょうか。
「フェチ」とは
「フェチ」は、「フェティシズム(fetishism)」や「フェティシスト(fetishist)」の略であり、宗教学用語で「呪物崇拝」を意味しています。「呪物崇拝」とは、人工・天然を問わず、特定の物体に対して超自然的な力があると信じて崇拝することです。
また、精神医学や心理学の分野では、異性のからだや衣類、持ち物などに対して異常に執着したり、愛好することを意味し、そういう性癖の人を「フェティシスト」と呼んでいますが、それが一般に使われるようになりました。
なんとなく異常に感じられることもある「フェチ」ですが、人は多かれ少なかれ好き嫌いがあり、その程度が度を越していることもあります。病的、あるいは性的興奮と言えなくても、案外、「フェチ」の人はたくさんいるのではないでしょうか。
「顔フェチ」の使い方
- 彼の付き合う女性はみんな目がぱっちりしているから、きっと彼はそんな目が好きな顔フェチだろう。
- 僕は泣きぼくろがある女の子を見るとドキドキするので、友達から顔フェチと言われている。
- 顔フェチの彼女は、スマホに好きな顔のパーツの写真を集めている。
「顔フェチ」と「美人やイケメン」の違い
おそらく、多くの人が美人やイケメンが好きなことは間違いないでしょう。美人やイケメンは、容姿を含めて整った顔立ちが条件の一つです。
しかし、「顔フェチ」の人は、特定のパーツに対して特別な魅力を感じてしまいますから、顔だちそのものを重視しているわけではありません。
また、性格などは目に見えないので、付き合ってみないとわからないところがありますが、顔のパーツは一目で好みがはっきり判別できるところから、「顔フェチ」の人にとっては、好みの相手を選別する一つの要素として特に重要と言えるでしょう。
その他の「フェチ」
「声フェチ」
相手の声に魅力を感じる「声フェチ」があります。落ち着いた声、低音の渋い声、柔らかい声などいろいろありますが、そういう声に魅了されて恋に落ちる人もいるようです。
【例文】
- 彼に話しかけられるとからだがしびれてしまう。こういうのを声フェチっていうのかな。
- 声フェチの兄貴は、コールセンターの女性の声に魅せられて、なんとかその人の居場所が知りたいと必死で調べている。
「匂いフェチ」
人には体臭があります。汗の匂い、香水の匂い、石鹸やシャンプーの残り香など様々です。「匂いフェチ」の人は、すれ違ったり、近くで話をしたりするときに相手の匂いに魅せられて好きになることも多いのではないででしょうか。
「におい」は脳に直接働きかけることから、最も感情を刺激する感覚と言われています。「におい」に敏感な人は、本能的に好みの相手を嗅ぎ分けることができるのでしょう。「匂いフェチ」は、人以外のものにも使います。
【例文】
- 彼女の隣にいるととてもいい匂いが漂ってくる。匂いフェチの僕には堪らない。
- 調香師や化粧品を研究している人たちは、嗅覚が鋭いと思うけど、匂いフェチとは言えないと思う。
「眼鏡フェチ」
眼鏡をかけている人が好きな人を「眼鏡フェチ」と言います。彼(彼女)は、眼鏡のほうが似合うのにとか、眼鏡をかけた人に特別の魅力を感じる人が結構いるようです。また、眼鏡そのものが好きな人のことも「眼鏡フェチ」と言うこともあります。
【例文】
- コンタクトの調子が悪いと言って眼鏡をかけてきた先生を見て、眼鏡フェチの僕は年上の彼女に恋をしてしまった。
- 眼鏡フェチの父は、毎日、違う眼鏡をかけている。