「ジロリアン」とは
関東圏に展開する「ラーメン二郎」と、そこで提供されるラーメンの熱狂的なファンのことを「ジロリアン」と呼びます。通常の「好き」のレベルを超えて、「ラーメン二郎」に心酔している人たちのことです。「ジロリアン」に明確な定義はなく、基準は人それぞれですが、「100回以上通った人」や「週に3回以上通う人」などと見なす場合もあるようです。
「ジロリアン」という言葉は悪い意味で使われることもあります。二郎には他のお客さんへの気遣いから、食後のテーブルを拭いておくといったルールがあるのですが、そこに独自ルールを加えて、他人に押しつけようとしてくる人もいるようです。そういった人たちを、悪い意味で「ジロリアン」と呼ぶこともあります。
また、二郎のラーメンは塩分も油分も多く、カロリーが高いため、健康に良いとは言えません。それでも二郎に通い詰める人というのは、一種の「中毒性」を感じているからのようです。そこまで二郎の虜になってしまったファンは、自虐的にみずからを「ジロリアン」と称します。なかには二郎に通いすぎて本当に健康を害してしまった「ジロリアン」もいるそうです。
ラーメン二郎とは
美味しいラーメン屋さんはたくさんありますから、それぞれの店にファンはいるでしょう。にもかかわらず二郎ファンにだけ特別な呼称があるのは、二郎が他のラーメン屋に比べて異質であり、そこに魅了されたファンの支持が熱烈であることが理由と思われます。
「二郎はラーメンじゃない、二郎という食べ物だ」という人までいるくらい特徴的なラーメンは、以下のようなものです。
二郎の特徴
「ラーメン二郎」の本店は慶応義塾大学三田キャンパスの近くにあり、支店も関東を中心に展開しています。どの店舗も連日行列ができる人気店です。濃厚な豚骨醤油スープ、コシが強くてゴワゴワした食感の平打ちの自家製麺、「ブタ」と呼ばれる大きなチャーシュー、そして野菜(もやしとキャベツ)やニンニク、背脂などのトッピングがあります。
また、何よりの特徴は量の多さです。「小」でも他店より多いと言われていますから、「大」は最初の訪問では避けた方が良いかもしれません。
「ジロリアン」の呪文?
二郎ではトッピングを無料で追加してくれます。店員さんがラーメンを作っている最中に「ニンニク入れますか?」と聞いてくれますから、そこで希望を伝えます。
このときに「ジロリアン」は、一般人には呪文のように聞こえる言葉を発します。例えば「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ」といったものです。これは「野菜をたくさん増やして、ニンニクと背脂を乗せて、タレを追加してください。」という意味です。「ヤサイ」「ニンニク」「アブラ」「カラメ(タレ)」を増やすかどうかを伝えられれば、注文の際に困らないでしょう。
もっとも、最初からトッピングはある程度乗っていますから、特に増やさなくてもいいという場合には、ニンニクを入れるか入れないかを答えておけば良いようです。
二郎のルール
先に挙げた呪文のようなトッピングの注文の仕方もそうですが、ラーメン二郎には他にもルールが存在します。食べ終わったら丼をカウンターの上にあげる。テーブルを台ふきで拭く、というものから、ダラダラ食べない、私語をしないといったものまであるようです。順番待ちの客がいる場合にはなるべく早く食べ終わるべきという主旨でしょう。
熱狂的な「ジロリアン」になるワケ
量が多いことや、インパクトのある「ブタ」、強めの塩分・油分と化学調味料ではっきりと際立った味つけが、ファンを虜にしているようです。好き嫌いの分かれるラーメンですが、一回食べたときは嫌いだと思っても、また何となく食べたくなり、いつの間にかファンになってしまうという人も多いそうです。
そしてラーメンの味そのもののファンだけではなく、みんながラーメンに集中しており、多数のルールに縛られている緊張感のある雰囲気に魅力を感じているファンもいるようです。
二郎の関連語
大人気店だけあって、「ラーメン二郎」から生まれた言葉もいくつかありますので、最後にご紹介しておきましょう。
家二郎
ファンのなかには二郎のラーメンを自宅で再現しようと試みる人もいます。この遊びを「家二郎」といいます。
鍋二郎
一部の店舗では鍋を持参すると、その鍋にラーメンを入れてくれて持ち帰れるサービスもあるようです。これを「鍋二郎」と呼びます。
二郎インスパイア系
三田本店、もしくは三田本店で修業したお弟子さんの直系店で修業した人しか、「ラーメン二郎」を名乗ることはできません。ですから、二郎によく似たスタイルのラーメン店は「インスパイア系」と呼ばれます。