「お屠蘇」の意味とは?簡単に作れるレシピを含めてご紹介

お正月にご家族揃って「お屠蘇(おとそ)」をいただくご家庭もあるでしょう。「お屠蘇」とは、お正月に邪気払いと長寿を願って飲む薬酒のことですが、作り方はご存知ですか?今回は「お屠蘇」の意味や由来、材料や作り方を含めてご説明します。

目次

  1. 「お屠蘇とは?」
  2. 「お屠蘇」の由来
  3. 「お屠蘇」の作り方
  4. 「お屠蘇」の作法
  5. 「お屠蘇」と「お神酒」
  6. 「お屠蘇」まとめ

「お屠蘇とは?」

「お屠蘇」の意味

「お屠蘇(おとそ)」とは、「正月に邪気を払い延命を願って飲む薬酒」、みりん(味醂)または清酒に屠蘇散(とそさん)という漢方薬を浸したものを指す言葉、あるいは、屠蘇散のことを指す言葉です。

「お屠蘇」の使い方

「お屠蘇」という言葉は、「お屠蘇をいただく」などの使い方が多いですが、お祝いのためにお酒をいただくことを「屠蘇を祝う」と言います。

また、お正月を過ぎても休み気分が抜けないことを「お屠蘇気分が抜けない」ということがありますが、「屠蘇気分(とそきぶん)」とは、念頭にお屠蘇を飲んで心地よく酔っ払っていることを表す言葉です。「屠蘇機嫌(とそきげん)」ともいわれます。

「屠蘇散」とは

屠蘇散」は「延命屠蘇散」とも呼ばれる漢方薬です。屠蘇散の処方は種々ありますが、次の5つの生薬が含まれていることが多いようです。

  • 山椒(さんしょう):山椒の実。健胃作用や抗菌作用がある。
  • 肉桂(にっけい):肉桂の根。健胃作用や発汗・解熱作用、鎮痙作用がある。
  • 白朮(びゃくじゅつ):白朮の根。利尿作用や鎮静作用、健胃作用がある。
  • 桔梗(ききょう):桔梗の根。鎮痛作用や咳痰を止める作用がある。
  • 蜜柑(みかん):蜜柑の皮。健胃作用がある。

それぞれの効能を見てみると、健胃作用や発汗、咳止めなどの作用があるものが多く、寒い時期、また暴飲暴食してしまいがちな時期に適した処方であることがわかります。

「お屠蘇」の由来

お屠蘇という名前にはいくつか解釈があります。有名な説の一つは「屠」は「屠る(ほふる)」、「蘇」は「病鬼」を表すので、「邪気払い」という意味があるというもの。

もうひとつは、「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を蘇らせる」という意味だという説です。

「お屠蘇」の風習

お正月に薬酒を飲む習慣は中国で始まりました。諸説ありますが、三国時代、魏の国の名医・華佗(かだ)が屠蘇散の処方を考案したという説が有名です。

日本にお屠蘇の習慣が伝わったのは平安時代で、当時は宮中の正月行事の一つでした。時代が下って、江戸時代になると庶民の風習となり、現在に至ります。

「お屠蘇」の作り方

本来の作り方

もともとのお屠蘇の作り方では、各家庭で生薬を調合して屠蘇散を作り、紅絹(もみ)または白絹を三角形に縫った袋に入れて「屠蘇袋」を作ります。屠蘇袋を大晦日の夜に井戸に吊るしておき、元旦の朝にそれをお酒に浸してからいただいたそうです。

また、お屠蘇に使った後の屠蘇袋は、松の内が明けてから井戸に投げ込みます。そうした井戸の水を飲むことで、その年の内は無病息災でいられると信じられていたのです。

現代の簡単な作り方

現在は、市販の屠蘇散の包み(パック)を本みりん、または清酒に数時間程浸すだけで、簡単にお屠蘇が作れます。

本みりんや清酒の分量、浸す時間は屠蘇散の用法に従ってください。時間が経ったら屠蘇散の包みを取り出して出来上がりです。

本みりんと清酒の分量は味のお好みで調整してくださいね。なお、お子様用には必ずアルコールを飛ばした本みりんや清酒をお使いください

材料について

屠蘇散はティーパックやだしパックのような形をしていて、薬局や漢方薬のお店で10包で300円くらいで買うことができます。また、年末になると、みりんのおまけとして付いてくる場合もあるようです。

みりんを使う場合は、みりん調味料ではなく、必ず「本みりん」をお使いください。みりんは、もともとは味醂酎(みりんちゅう)という甘口のお酒として飲まれてきたアルコール類です。みりん風調味料や新みりんは調味料ですので、お酒として飲むのには適していません。

「お屠蘇」の作法

「お屠蘇」をいただく前に

元旦の朝は、お屠蘇をいただく前に、「若水(わかみず)」で手を洗い清めるという風習があります。

若水とは、その年初に汲んだ水という意味ですが、今は井戸を使っているご家庭は少ないので、普段通り、水道で手を洗いましょう。そして、ご家族が揃ったところで、新年の挨拶をした後、お屠蘇をいただきます。

「お屠蘇」の道具

正式なお屠蘇のいただき方では、屠蘇器(大・中・小の三つ重ねの杯)を使いますが、屠蘇器がない場合は小さめの杯や酒器で代用します。屠蘇器を使う場合は、小→中→大の順に、それぞれ一杯ずついただきます。

「お屠蘇」のいただき方

また、お屠蘇をいただく順番は、若い人→年長者です。これは、若い人の生気を年長者に分け与えるという中国の風習に由来しています。

また、その年が厄年となる人は、厄年以外の人の運を分けていただくという意味で、順番は一番最後になります。なお、おせち料理は、家族全員がお屠蘇をいただいた後にいただきます。

「お屠蘇」と「お神酒」

「お神酒」とは

「お神酒(おみき)」とは、日本の神道の風習のひとつで、神様にお供えしたお酒(主に日本酒)のお下がりをいただくものです。神様にお供えすることで霊力を宿ったお酒をいただくことで、神様の霊力を体内に取り込み、無病息災や家内安全などを願います。

「お屠蘇」と「お神酒」の違い

お屠蘇は中国の慣習に倣ってお正月にいただきますが、お神酒は神道の慣習で、お正月以外の祭礼(お宮参りや地鎮祭など)の後にもいただきます。

また、お屠蘇は家庭で作りますが、お神酒は神様にお供えする必要があるため、神社で振る舞われたり販売されたりします。

「お屠蘇」まとめ

「お屠蘇」には無病息災などの願いが込められているものですが、お酒であることには変わりありませんので、未成年や車の運転をする方はアルコールを飛ばしたものをいただくか、杯を傾けるふりだけに止めておきましょう


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