「うるかす」とは?意味や使い方をご紹介

「うるかす」は漢字で「潤かす」と書き、何かを水に浸けておくことを意味します。「うるかす」は北海道や東北で用いられる方言とされていますが、関東でもそれなりの割合で使われ、九州や沖縄でも少数ながら使用者がいる言葉です。詳しい意味や用法、通用する地域を紹介します。

目次

  1. 「うるかす」の意味
  2. 「うるかす」の使い方
  3. 「うるかす」は方言
  4. 「うるかす」の類語・関連語

「うるかす」の意味

「うるかす」は、漢字では「潤かす」と書き、水に浸して柔らかくすることやふやかすことを表します。

日本語の辞書に項目として立てられている単語ですが、利用者は限定されており、通常は方言とされます。

「うるかす」の使い方

「うるかす」は、典型的には、炊飯前に米を浸水させることを指します。

  • 夕飯のお米、うるかしといて。
  • 小豆は、うるかす必要がありません。
  • 栗の皮は堅いので、うるかしてから剥きます。
  • 子どもが一歳を過ぎるまでは、大人のご飯をうるかしたものを与えていた。

料理用語だけでなく、こびりついた汚れを水に浸けてふやかすような場合にも「うるかす」が使えます。
  • カレーのお皿をすぐに洗わなかったから、一旦うるかさないと汚れが落ちそうにない。
  • 雨が降ったおかげで、ポーチの泥汚れをうるかす手間が省けた。

「うるかす」は方言

冒頭でご紹介したように、「うるかす」は方言として捉えられており利用者は北海道と東北地方に集中しています。

【「うるかす」を日常的に使う地域】
北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、福島県、新潟県、栃木県の一部

北海道・東北以外では、新潟県と山口県で高い利用率があります。四国や山陰、九州などではほとんど利用者はいません。その他の地域では多少の利用者がいる、または聞いたことはあるという状況です。

「うるかす」の類語・関連語

標準語で「うるかす」に相当するのは?

「うるかす」を標準語で言うと、「水に浸しておく」「水で戻す」などになります。

「潤かす」の字からも察せられる通り、水に浸し、かつ水分を含ませることまでを表す単語ですが、ぴったりと置き換えられる動詞は標準語にはありません。水に浸した結果までを含意したいかどうか文脈を捉え、「浸す」や「戻す」を使い分ける必要があります。

【標準語の例】

  • 夕飯のお米、水に浸けといて
  • 干しシイタケは、戻すのに結構時間がかかる。
  • お茶碗にお米がこびりついているから、ふやかしてからでないと洗えない。

中部・北陸地方の「ひやかす」

「うるかす」と同様に限定された地域で使われるのが、「ひやかす」です。標準語での「からかう」、「茶化す」の意味ではなく、水に浸すことを指すのに使われます。

【例】

  • お米、ひやかしといて。
  • お茶碗はきちんとひやかして

古語「ほとびる」

古語で「ふやける」を意味する「ほと(潤)ぶ」から派生した、「ほとびかす」「ほとばす」を利用する地域もあります。

「ほとびかす」は主に西日本で、「ほとばす」は信州でよく見られます。用法はお米を浸水させるときに用いることが多いものの、浸水させること全般も表せ、「うるかす」と同様です。


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