「野卑」とは?意味や使い方をご紹介

「野卑」(やひ)という言葉をご存知でしょうか。最近では、「野卑な人」などという言い方もあまり見聞きしないかもしれません。面と向かって人に言わないように注意しましょう。ここでは、「野卑」という言葉の意味や使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「野卑」の意味
  2. 「野卑」の使い方
  3. 「野卑」の類語

「野卑」の意味

「野卑」(やひ、「野鄙」とも書く)には、以下の二つの意味があります。

  1. 地位・身分が低いこと。また、その人。
  2. いやしく、下卑(げび)ていること。下品であること。

「野」には「野蛮」「粗野」などの言葉に見られるように、「ありのまま、洗練されていない、いやしい」といった意味があります。

「卑」は、「地位・身分が低いこと」や、「いやしく下品なこと」、「いやしめること」などの意味です。「卑劣」「卑下」などの言葉がありますね。

「野卑」の使い方

「野卑」は、少々固い言葉であるため、日常使いというよりは、小説などに使う文章語として運用されることが多いでしょう。

けなし言葉や侮蔑語としての側面もある一方、口にするのも憚られるような表現を避けて、あくまでも「無作法である」「無教養である」「下品である」あるいは「悪趣味である」という様子を客観的に言う言葉であり、使う側の最低限の品位を保つ言葉ともいえます。

また、一種の比喩として、上品なものや、高度で洗練されたものへの対義語的な表現として「野卑」と言われることもあります。

例文

  • 別れ話をしているとき、彼は私との性行為についてわざと野卑な言い方をして、私を挑発した。
  • 深夜、場末の酒場には、荒くれものたちの野卑な笑い声が飛び交っていた。
  • スラム育ちの少女は、十三歳とは思えないような野卑な悪態をついた。
  • 彼は貧乏で、服装はいつもぼろぼろだったが、人柄は誠実で、印象は野卑ではなかった。
  • 昼間過ごした美術館の高級カフェに比べると、マンションの自分の部屋は野卑そのものだった。

「野卑」の類語

「野卑」の類語としては、以下のような言葉が該当します。

  • 下劣(げれつ)…道徳などの面で劣っていること。卑しいこと。
  • 下種(げす)…品性が下劣であること。「下衆」とも書く。
  • 汚い…下品で、いやらしい。乱雑である。よごれている。
  • はしたない…下品で見苦しい。「端ない」と書く。
  • 蓮っ葉(はすっぱ)…(女性の)態度などが軽はずみで下品なことや、その人のこと。
  • 安っぽい…品格に欠けている。
  • 卑猥(ひわい)…下品でみだらなこと。
  • 猥雑(わいざつ)…下品でごたごたしていること。
  • 尾籠(びろう)…汚いこと。汚らしいこと。
  • 無礼(ぶれい)…礼儀をわきまえないこと。失礼。


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