「どんどん」の意味とは?
「どんどん」は副詞で、以下のような意味があります。
- 堅い物を強く叩く音、または叩く様子
- 立て続けに鳴り響く大きな音、またはそのような大きな音が鳴り響く様子
- 物事が増大するさま
- 順調にはかどる・次々に続く様子
「どんどん」はオノマトペの一種です。「オノマトペ」は擬声語や擬態語のことで、「擬声語」は動物の声や物音などを言語音で表した語、「擬態語」は物事の状態や動作などの雰囲気を音声にたとえて表した語です。
「どんどん」は「擬声語」と「擬態語」の両方の性質を持っています。1や2の意味のように、音をイメージした場合は擬声語ですが、1~4で様子を表した場合は擬態語といえますね。
「どんどん」の使い方と例文
「どんどん」は「どんどんと~」という形で用いる場合もあります。
1.強く叩く
堅いものを力強く大きく叩く音やその様子を表す「どんどん」は、例えば、ドアを強くノックする、床を荒っぽく踏み鳴らすといった状況に対して使います。
【例文】
- 罠にかかって廃屋に閉じ込められた悪者は、どんどんと壁を叩いていた。
- 朝っぱらからどんどんとドアをノックするんじゃないよ。近所迷惑じゃないか!
- 応援団が太鼓をどんどん打ち鳴らして、チームを鼓舞している。
2.大きな音が鳴る
周囲に大きく響く音が次々と鳴ること、またはそのような様子を指す「どんどん」は、花火や大砲などの轟音(ごうおん)が何度も響き渡るような場合に使います。
【例文】
- 大輪の打ち上げ花火がどんどん鳴り響き、歓声が上がった。
- 国におめでたい行事があると、祝砲がどんどん上げられる。
- どんどんと続けざまに空砲が鳴って、競技会が始まった。
3.物事が増大する
物事がだんだん増大する、増えていく様子を表す「どんどん」は、良い意味でも、良くない意味でも使います。
【例文】
- 思い切って広告を出したら、店に来てくれる客がどんどん多くなった。
- 掃いても掃いても、落ち葉がどんどん道に溜まっていく。
- 利子がかさんで、借金の総額がどんどん増えていく。
4.順調にはかどる・次々に続く
「どんどん」は、物事が順調にはかどるさま、次々に続いていく様子、積極的に多くの物事を行うさまを指すこともあります。どちらかと言うと、良い意味で使われることが多いです。
【例文】
- 有能なAさんが入社してから、仕事がどんどん片付くようになって万々歳だ。
- 今年のドラフトは、各球団にどんどん有望株が入ってくるね。
- 気になったことはどんどん聞いてくださいね。
- 現品限りだよ。お客さん、今だけだからどんどん買って行ってちょうだい。
「どんどん」の類語
「どんどん」のようなオノマトペの中から、類語を紹介します。
じゃんじゃん
「じゃんじゃん」は、半鐘(はんしょう)などが連続して鳴る様子を表します。半鐘とは、昔、火事などを知らせるために打ち鳴らした鐘(かね)のことです。また、「じゃんじゃん」は、次から次へと盛んに行われるさまを指すこともあります。
【例文】
- 社員が不祥事を起こしたため、電話のベルがじゃんじゃん鳴っている。
- じゃんじゃん水を流して、車の汚れを落とす。
- 今人気の飲食店には、じゃんじゃんとお客が入ってくるそうだ。
ぐんぐん
「ぐんぐん」とは、勢いよく何かが行われる様子、また、勢いが激しく、物事の進行の仕方が速いさまという意味です。
【例文】
- 小犬は小さな体でもぐんぐんリードを引っ張って歩いている。
- 親戚の子は少し見ないうちに、ぐんぐんと成長している。
どしどし
「どしどし」とは、力強く足音を立てる様子、物事が切れ間なく起こる様子や休みなく行われること、もしくは、遠慮をせずにし続けるさまを表します。
【例文】
- 兄はどしどしと歩いてくると、勢いよく居間のドアを開けた。
- 年末に入り、どの人もどしどし急いで仕事を片付けようとしている。
- とても忙しく、どしどし問い合わせが入る。
- パズルの回答をお待ちしています。○月○日までにどしどしご応募ください。
「どんどん」と「とんとん」の違い
【「とんとん」の意味】
- 堅い物を軽く叩く音、または、軽く叩く様子
- 物事が順を追って調子よく進行するさま
- 2つの物の間にほとんど優劣の差がみられないこと
1と2は副詞で、意味も「どんどん」とよく似ていますが、濁音の「どんどん」よりも「とんとん」の方が軽やかです。
他方、3は形容動詞で、「この二人の成績はとんとんだ」のように使います。「どんどん」には、形容動詞としての働きはありません。