「急に」とは?
「急に」(きゅう-に)は、「何らかの物事の進行の仕方や変化の仕方などが速い様子」、「前触れなく出来事が起こる様子」を表します。
「急に」は形容動詞「急だ」の連用形です。「急に~」という形で使われ、形容された「~」の部分の変化が速いなどといったことを表します。辞書によっては、副詞として説明されていることがあります。
「急に」の使い方と例文
物事の進行や変化の仕方が速い
素早く進行する、すぐに変わっていくなど、物事の動きの程度が速いと思われる場合に「急に」を使います。また、人の動作について、何かをきっかけにすぐに行動を起こしたという場合にも用います。
【例文】
- ダムの放流が始まり、水の流れが急になった。
- 台風が近づくと雨量が急に多くなることもありますので、十分に注意してください。
- 秋になると、急に日が落ちるような印象を受ける。
- 彼女は時計を見ると急に立ち上がり、帰り支度を始めた。
- そのスポーツカーは歩行者をやり過ごすと、急に加速した。
前触れなく物事が起こる
なんの前触れもなく目の前である物事が起こった時に「急に」を使います。普段の何気ない日常生活で予想外の出来事があった様子、また、トラブルやサプライズイベントなどの人を驚かせるようなことに直面した時にも使うことがあります。
【例文】
- 笑っていた赤ちゃんが急に泣き出した。
- 急に雨が降ってきた。
- 電源が急に落ちて、周囲が真っ暗になった。
- 山道を歩いていたらイノシシが急に現れて焦った。
- 一般の通行人に見えた人たちが急に踊り出すフラッシュモブっていうのがあるけど、実際に遭遇したことある?
「急に」の類語
にわかに
「にわかに」(漢字表記:俄に)とは、物事が急に発生する・変化するなどの意味があります。
否定形をともなうと、「すぐには~できない」「その場では~できない」という意味となります。「にわかには信じがたい」という言い回しは、人から伝えられたことをすぐに信じることができない、聞いたその場では鵜呑みにできないという意味です。
【例文】
- 大臣がスキャンダルで辞任するという噂が駆け巡り、政界がにわかに騒がしくなってきた。
- 彼女が人を陥れるようなことをするなんて、にわかには信じがたい話だ。
- 申し訳ありませんが、にわかにはお答えしかねます。会社に持ち帰って検討させていただけないでしょうか。
突然
「突然」(とつぜん)とは出し抜けに物事が起こること、予想外のことがいきなり発生するさまをいいます。「急に」に比べると「突然」の方が、予想外の出来事に驚いているといったニュアンスが感じられます。
【例文】
- 出会ったばかりの人同士が突然恋に落ちるのは、どのくらいの確率で起こるのだろうか。
- 電車が突然急ブレーキをかけたので、立っていた乗客のなかには転んでしまった人もいた。
たちまち
「たちまち」(漢字表記:忽ち)とは、ごく短い時間のうちに何らかの動きがある様子のことです。また、思いがけずにある事態が発生するさまも「たちまち」という語で表せます。
「たちまち」は「急に」と同様に素早い変化も表しますが、ある程度の時間をかけた変化にも用いることができます。
【例文】
- 悪い噂はたちまち各方面に広がるものだ。
- たちまち黒い雲が広がったかと思うと、強い雨が降ってきた。
唐突に
「唐突に」(とうとつ-に)とは、物事を出し抜けに行いはじめること、予期しない時に何らかの出来事が起こることです。それまでの流れとつながらない出来事が起きたときに使われる表現です。
【例文】
- 唐突に解職を言い渡されて、呆然とした。
- 電車で隣に座っていた人が唐突に笑い出したので、私だけでなく周囲にいた人はみんなぎょっとした。
やにわに
「やにわに」とは、その場で時間をかけずに一気に行うさまや、いきなり突然行う様子をいいます。少々古い印象の言葉といえるでしょう。
【例文】
- 隣で眠っていた子供はやにわに起き上がると、寝ぼけているのか歌を歌い出した。
- やにわに逃げた泥棒を、警察官が首尾よく逮捕した。