「出不精」の意味
「出不精」(でぶしょう)とは、外に出ることを面倒に思う様子や、そのように思う人の性格・状態を意味します。
「精が出る」とは、物事に懸命に励む・マメに取り組むという意味です。「不精」はその反対の意味となり、体を動かして何かをすることを面倒くさがることを表しています。
「出不精」は、家の外に出ることに焦点を当てた言葉です。そのほかの「不精」を用いる表現には、面倒くさがって文章や手紙をなかなか書かないことを表す「筆不精」や、ひげそりを怠って伸びたひげを指す「不精ひげ」などがあります。
「出不精」か「出無精」か
漢字で表記する際は、「出不精」と「出無精」どちらが正しいのか悩んでしまったという人もいるのではないでしょうか?
「ぶしょう」は、面倒くさがって行動せず「精が出ない」ことですから、「不精」「無精」どちらも同じ意味となるため、どちらの書き方でも問題ありません。
とは言え、一般的には「出不精」と表記することが多いようです。
「出不精」の使い方
「出不精」は、日常会話の中で主に「出不精な●●」や「●●は出不精である」というように、物事の状態や様子を表す形で使われます。
例文
- 寒い季節になると多くの知り合いが出不精になるので、予定がたてにくい。
- 彼女が欲しいのならば、彼はまず出不精な性格を直すべきだ。
- もともと出不精なたちだが、新しいゲームを購入したので、この数週間は出不精がこうじた。
「出不精」の関連語
ここでは、「出不精」のように外に出ることを控える様子を表す言葉を紹介します。
インドア派
「インドア派」は、外にいることよりも家の中にいることが好きな人のことを表します。「出不精」のように、面倒くさがって外に出ないのではなく、好んで家の中にいるという点では、意味が少し異なりますね。
【例文】
- 飲み会の席で若手社員に休日の過ごし方を聞いたところ、インドア派が多数を占めていた。
- 友人は自分のことをインドア派と言っているが、年に数回は温泉旅行に出かけているようだ。
巣ごもり
「巣ごもり」は、虫や鳥などの野生動物が巣に篭ることを指しますが、休日や余暇の時間に外出を控えて自宅で過ごすことを表すこともあります。
「出不精」のように面倒くさいから外出しないのではなく、何かしらの目的があって意図的に自宅で過ごすことを指す言葉です。
【例文】
- 感染症が流行しているので、身を守るためにしばらくの間は巣ごもり生活を続けるしかない。
- 最近は景気が悪いためか、節約のために外出を控え巣ごもる人が増えているようだ。
引きこもり
「引きこもり」は、日常生活のほとんどを家から出ない状態を表します。ストレスや様々な理由で社会や知人との関わりを断っていることが多く、家族との関わりすらままならないこともあるようです。
家の外に出ることを億劫に思う様子は、「出不精」と同じですが、外出をためらう理由が異なっていると言えます。
【例文】
- 小学校の時の知り合いが、高校進学後に引きこもってしまった話を同窓会で友人から聞いて驚いた。
- 会社の人間関係が原因で引きこもりになった同期が、転職をして社会復帰することができてほっとした。
「出不精」の英語表現
「出不精」を英語で表現すると、「homebody(家で過ごすことが好きな人」といった単語の他に、「stay at home(家にいる)」や「lazy to get out(外に出る気が起きない)」などの慣用句で表現することが出来ます。
例文
- My friend is good at playing a TV game.He is a homebody.(テレビゲームが得意な友人がいます。家にいることが好きなタイプなんです。)
- Husbands staying at home is stressful for wives.(夫が家にいることは妻にとってはストレスとなる。)
- I had hard days work,I'm lazy to get out this weekend.(忙しかったので週末は外出する気が起きない。)