「役得」の意味
「役得」(やくとく)とは、「その役目に従事しているために得られる余分の利得」のことです。
例えば、あなたが劇場の受付をしていたとします。そこにお気に入りの女優がやってきて、好意的に握手をしてもらえたとしましょう。これが「役得」に当たります。
「役得」の使い方
「役得」を使うにあたってのポイントは、得られるのが「余分な」利益であるという点です。つまり、その役目(仕事)の中で、当然得られるべきチャンス、賃金、その他報酬などは「役得」に当たりません。
あくまでも、その役目でなければ得られなかったが、本来は得られるはずのなかった、想定外の、偶然の、思いがけない副産物のような利益が「役得」と呼ばれます。
言葉の性質上、その役目に与えられるはずの本来的で正当な利得を超えた、「不正」な利得というニュアンスを含むことがありますので、ご注意ください。
例文
- 調理場で働き始めてからというもの、少しであれば廃棄用食糧を持ち帰ってよいと言われているので助かっている。役得というものだ。
- 幼い妹の面倒を見ろと言いつけられた。最初は面倒だったが、妹は大人しくて手がかからないし、妹に与えられたお菓子を食べても怒られないので、役得だ。
- この仕事がこんなにつらいなんて思わなかった。給料以外に、もう少し役得があってもいいものだと思う。
- レディースデーでさまざまなサービスを受けられるのは、女に生まれた者の役得といえるだろうか?
「役得」の類語
「役得」の類語としては、以下のような言葉があります。
- 余得(よとく)…余分のもうけ。
- 余禄(よろく)…正規収入以外の利益。
- 甘い汁を吸う…地位や他人を利用して、ずるい方法で利益を得る。
- 私腹を肥やす…官職の者などが、立場を利用して不当にもうける。