「まやかし」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

「まやかし」には漢字表記がないため、意味を知らない場合、まったく類推することさえできないかもしれません。ただ、「まやかし物」という表現は見聞きしたことがある人もいるのではないでしょうか。今回は「まやかし」の意味と使い方について、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「まやかし」とは?
  2. 「まやかし」の使い方
  3. 「まやかし」の類語

「まやかし」とは?

意味

「まやかし」は、動詞(サ行五段活用)「まやかす」の連用形、もしくはそれが名詞化した言葉で、ごまかすこと、いかさま、にせものを意味します。

どのようなごまかしが「まやかし」か?

「まやかし」に対して、やや古めかしい印象を受ける人もいるかもしれません。漢字表記が存在せず、また日常生活でそう頻繁に使われる言葉でもないことも、意味をわかりにくくさせていると言えましょう。

昔は「手品」や「奇術」などの意味で「まやかし」が使われることもあったようで、その影響からか、「魔術や幻影などの怪しさ」をもつごまかしというニュアンスは現代でも多少は含まれています。

しかし、現代日本語における「まやかし」は、本物や事実のようにみせかけながら、実は異なるという意味が基本です。何かを真正に見せかける、その悪意も意味合いとして含まれる場合があります。

「まやかし」の使い方

「まやかし」は、「~はまやかしだ」という言い方とともに、この言葉のあとに名詞をもってくる言い回しも多用されます。「まやかし物」は、その典型例です。

また、「まやかしの~」という言い方でも、「まやかしの友情」「まやかしの母性」「まやかしの英雄」のように、さまざまな名詞があとに続く形が一般的です。

「まやかし」を使うときには、この言葉には基本的にネガティブなニュアンスがあることを理解する必要があります。本物らしくみせかける、という「作為」を含む言葉なので、不用意に使うと相手を非難することにもなりかねません。

「まやかし」の例文

  • イタリア旅行中に奮発してブランドのバッグを買ったのだが、帰国して鑑定してもらったら、とんでもないまやかし物だった。
  • 3年交際していたA子だったが、リストラされたとたんに去っていった。結局まやかしの愛だったんだ。
  • 派閥抗争に敗れて左遷(させん)されたその取締役は、まわりの忠誠の言葉がまやかしだったと初めて悟った。

「まやかし」の類語

「偽物」

「偽物(ぎぶつ・にせもの)」の意味は、まさににせもの、すなわち、本物に似せてつくったもの、まがいものです。

「偽物」がつくられる背景はさまざまですが、「まやかし」と同様に、あえて似せてつくる、という魂胆が見え透いているケースも多くあるでしょう。

【例文】ダイヤモンドのアクセサリーを販売していたジュエリーショップAは、偽物の商品ばかり販売していたことが発覚して閉店となった。

「贋作」

「贋作」(がんさく)と読み、本物(真作)の作者とは別の人物が、その作品に似せて、作者の名を騙って創作することや、その作品を意味します。「まやかし」と異なるのは、その対象が美術品や工芸品に限られていることです。

端的にいえば、美術品や工芸品の偽物を作ること、またその作品が、「贋作」に該当します。もし「贋作」が流通、販売された場合、「真作」と見抜く目がなく購入して「贋作」をつかまされた、などということが頻繁に起こり得ます。

「真作」か「贋作」かを鑑定するテレビ番組などもあったように、古今東西「贋作」は人をだまし続けてきました。

【例文】古美術品の優れた鑑定士B氏は、たちどころに贋作を見抜く目があるとして人気が高い。

「いかさま」

「いかさま」は、漢字では「如何様」と表記しますが、ひらがなかカタカナ表記が一般的です。品詞によって意味が異なるものの、現代では名刺・形容動詞以外はほぼ使われません。

名詞・形容動詞の「いかさま」は、いかにも本当らしく見せかけることや、そのさま、を意味します。物体的な偽物も示しますが、正しいように見せかけて不正であるという「行為」を指す使い方に対して使われることが多い言葉です。

【例文】A病院のB医師は、実は医師免許を持っておらず、10年もいかさまの治療をしていたことが発覚した。


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