「おちおち」の意味とは?
「おちおち」は漢字で書くと「落ち落ち」となります。「おちおち」は、落ち着いて、安心してという意味の副詞です。
ただし、「おちおち」は、そのまま肯定する意味で使われる例はあまり見られません。「おちおち(と)~ない」のように、打ち消しを伴うかたちで使います。
「おちおち」の使い方
「おちおち(と)~ない」のように打ち消しの言葉と合わせると、「落ち着いて~できないこと」「安心して~できないこと」を表します。
この言い回しが使われるのは、たとえば、物事に集中して取り組むことや、行動に専念するのが難しい状況です。
「おちおち」を使った例文
- 夫の実家に行くと姑に気を遣うので、おちおちしていられない。
- 金庫が盗まれないか心配で、夜もおちおち寝られやしない。
- 近所の人がジロジロ見るので、自宅でもおちおちとくつろげない。
- SNSのフォロワーが増えると、炎上が怖くておちおち自分の意見を書いていられない。
「おちおち~ない」の類語
「おちおち」はそのままで使われる例は少ないので、否定する形の「おちおち~ない」に近い表現の言葉について紹介します。
気が抜けない
「気が抜けない」(きがぬけない)とは、気持ちが張り詰めている状態が続いているという意味です。「気」はこの場合は、いろいろなことに思いがめぐる心の状態のこと、「抜けない」はある状態が消えることがないことを指しています。
安心できない様子を表しますから、置かれている状況は「おちおち~ない」と同じです。
【例文】
- いくら自宅の鍵を取り替えても、一人暮らしでは気が抜けない。
- 彼はやり手だから、会うときはいつも、手の内を見透かされているようで気が抜けない。
緊張
「緊張」(きんちょう)には多くの意味があります。その中の、気持ちが張り詰めて体に緩みがなくなるという意味は、「おちおちと~ない」に近い状態を表します。
【例文】
- 明日、大勢の前でスピーチをすることになり、緊張して寝付けない。
- 仕事を上司に監視されていると、緊張して普段はしないミスをしてしまう。