「到底」とは?意味や使い方をご紹介

「到底」という言葉だけでは意味をはっきりつかめないかもしれません。それもそのはず、その後に打ち消しの言葉をつないではじめて成立するのです。会話で使うには少々硬い表現なので、多くは書き言葉で使用されます。今回は、「到底」の意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 「到底」とは?
  2. 「到底」の使い方
  3. 「到底」の類語

「到底」とは?

「到底」は、(とうてい)と読む副詞ですが、この言葉の後に打ち消しの語をともなってはじめて意味を成します。

「到底」の意味

「到底」の意味は下記の2つです。

  1. (あとに打ち消しの語を伴い)どうしても。どうやってみても。どう頑張ってみたところで。
  2. しまいには。つまるところ。つまり。

2の意味で用いる場合は否定語は伴いません。2の用法は、昭和初期あたりまで文学作品にも登場しましたが、現在は使われていないため、今回の解説では割愛します。

「到底」の使い方

「到底」は、何かに対する打ち消しを強調する役割を果たす副詞です。ただ、使う際には、この副詞がどのような事柄に対して用いるかがポイントとなります。

「到底」が強調するのはネガティブな内容です。たとえば、到底できない、到底勝てないなどのように使います。これらは、手を尽くしても実現できない、望みとは異なる結果となるといったネガティブな事柄に対し、諦めや悲嘆といった含みのある表現です。

後に続く言葉は、必ずしも「~ない」という形とは限りません。到底無理、到底不可能のように、否定を表す言葉と組み合わせることもあります。

しかし、到底失敗しない、到底負けないのように、否定形であっても内容がポジティブな言葉が後に続くことはありません。

「到底」の例文

  • 君のその提案には、到底賛成できないよ。
  • この貯金額は、理想的な家を建てるには到底足りない。
  • 他者を犠牲にしてゆく彼の生き方は、僕に到底理解できるものではなかった。
  • 今の指の状態でピアノコンクールに出ることは、到底無理な挑戦だ。
  • この偏差値で東大に合格するなど、到底不可能だ。

「到底」の類語

「所詮」

「所詮」(しょせん)は、最後に行き着くところを表す副詞です。ネガティブな語を伴う場合の多くは、「どうせ。どのようにしたところで」という、「到底」とほぼ同じ意味となります。

一方で、「つまるところ。とどのつまり」という意味の場合は、打ち消しを伴わないこともあります。たとえば、「所詮子供のやることだから」(まあ、つまりは子供のすることだから)のような、ごく軽いネガティブ表現にもよく使われます。

【例文】

  • 彼が儲け話があると言っていたが、所詮ろくなものではないだろう。
  • 見栄えの悪い料理ですが、所詮初心者の見よう見まねということで、ご容赦ください。

「どうせ」

「どうせ」は、どのような経過であろうと、その結果や状況が良いものにならないことが明らかだと認める気持ちを表現する副詞です。

あきらめの気持ちや捨て鉢な気持ちを表す場合は、「到底」と同じく、「どのみち。つまるところ」などのネガティブな意味になります。

ただし、結果を受け入れた上で腹をくくってとりくもう、というポジティブな表現としても用いられます。その場合は、「いずれにしても」という意味です。

【例文】

  • 私のような不器用な人間は、どうせ何をやっても失敗するに決まっている。
  • どうせやらなければならないことなのだから、早めに取りかかろう。

「結局」

「結局」は、さまざまな経緯があったうえで、最後に落ち着くさまを表す副詞です。「最終的には。つまるところ」などの意味をもちます。ネガティブな結果だけでなく、ポジティブな結果にも使える点では「到底」とは異なります。

【例文】

  • バレー部での練習に励んだが、結局レギュラー選手にはなれなかった。
  • 幼馴染と口喧嘩をして5年会わなかったが、仲直りしてみれば、結局最も分かり合える仲だった。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ