「失笑」とは?意味や使い方をご紹介

「失笑」とは、笑うこと、それとも笑わずにいることのどちらの意味だと思いますか?近年では、間違えた意味で使っている人も多いと言われる言葉なので、自信がない、という方がいてもおかしくありません。こちらでは「失笑」の意味や使い方について、類語を交えて紹介しています。

目次

  1. 「失笑」の意味とは?
  2. 「失笑」の使い方
  3. 「失笑」の類語

「失笑」の意味とは?

「失笑」(しっしょう)とは、我慢できずについ笑いだしてしまうことです。この場合の「失」の字義は、過ちやうっかり何らかの動作をしてしまうことで、「思わず~をやってしまう」といった意味で使われています。

「失笑」の使い方

人が「失笑」する場合、目の前で面白いことがあり、(その場にふさわしくないのでこらえようとしても難しく)つい笑いだしてしまう時に使います。

ただし、相手の言動や行動が常識を欠いたところがあって思わず笑い出す場面でも使われ、呆れて笑うような軽蔑の意味を含むこともあります。

「失笑」を使った慣用句

  • 失笑を買う…まともなことを言ったはずではあるが、相手から愚かであると笑われる
  • 失笑を漏らす…思わぬ拍子に我慢できず笑いが漏れてしまう
  • 失笑もの…思わず笑いが出てしまう物事
  • 唖然失笑(あぜんしっしょう)…目の前に起こったことが原因で驚き呆れ、その後に笑いが止まらない

「失笑」の例文

【場に相応しくないが思わず笑ってしまうケース】

  • お坊さんのお経が面白く感じたようで、子どもが失笑してしまい周囲に睨まれた。
  • 部下から相談を受けていたが、周囲で変顔をしている人が目に入り失笑を漏らした。
  • 家族でまじめな話しをしていたところ、祖父が「あたり前田のクラッカー」と言ったので、みんなが唖然失笑した。

【軽蔑の意味を込めて笑ってしまうケース】
  • 上司に自分の意見を必死で話したが、失笑を買い、まともに取り合ってもらえなかった。
  • こんな欠陥商品を売り出すなんて、同業者からしてみたら失笑ものだよ。

「失笑」の誤用

近年では、「失笑」の意味を「笑えないくらい呆れ果てる」と誤用する人も増えているそうです。その背景として「失」を「なくす」や「うしなう」という意味にとらえていると考えられます。

文化庁による平成23年度(2011年)の「国語に関する世論調査」では、6割程度の人が「失笑」の意味を取り違え、正しく使っていた人は約3割という結果が出ました。

2020年現在では、「失笑」の正しい意味は「思わず笑ってしまう」ことです。しかし、言葉は時代が進むと変わってくる場合もあります。間違えて使う人が多いと、そちらの使い方も俗用として認められることもあり、今後の変化に注意する必要がありますね。

「失笑」の類語

吹き出す

「失笑」の類語の1つに「吹き出す」(ふきだす)が挙げられます。もともとは、中にある物を勢いよく外に出すようなことをいいました。そこから派生したのが、目の前の物事にこらえられず、息を急にはき出すような笑い方をするという意味です。

【例文】

  • 彼が面白いことを唐突に言ったので、つい吹き出してしまった。
  • 講師の先生の話を聞いて、その場にいた人はみんなどっと吹き出していた。

噴飯

噴飯」(ふんぱん)とは、ばかばかしいことに思わず笑ってしまうこと、面白いことにこらえきれず吹き出すくらいに笑ってしまう様子です。「失笑」の、我慢しようとしながらもつい笑ってしまうという意味とよく似ていますね。

もともとは、ご飯を食べている時に面白いことがあって、こらえきれずに口の中のご飯を「噴く(意味:勢いよく出す)」ように笑ってしまうところから来ています。

噴飯もの」(ふんぱんもの)は、我慢できずに笑ってしまうような面白い物事。また、人から笑いの種になりそうな見苦しい物事を表します。「噴飯もの」を、どうしようもなく腹立たしいことという意味で使う方もいますが、これは誤用です。

【例文】

  • へえ、Aさんのモノマネが面白かったんだ。それは噴飯だね。実際に見てみたかったな。
  • SNSで炎上を煽っている人が、「個人攻撃はやめてください」って言うのは噴飯ものだね。


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