「お言葉に甘えて」とは?意味や使い方をご紹介

残業続きの毎日、上司から「今日はもう上がっていいよ」と声をかけられ、「お言葉に甘えて、お先に失礼します」と帰宅した経験がある方もいらっしゃるかもしれません。この記事では「お言葉に甘えて」について、意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「お言葉に甘えて」とは
  2. 「お言葉に甘えて」の使い方
  3. 「お言葉に甘えて」の類語

「お言葉に甘えて」とは

「お言葉に甘えて」とは、相手の親切な気持ちや好意を素直に受けいれることです。この表現は、慣用句の言葉に甘える」の、最もよく使われる形(「言葉」に敬語表現の「お」を付け、「甘える」の連用形「甘え」に、接続助詞「て」がついた形)です。

体調が悪かったり、心配事などがあったりすると、周りの人がそれを察して、気遣いの声をかけてくれることがありますね。このように、相手への思いやりがこめられた言葉のことを「お言葉」といいます。

そして、その「お言葉」をかけてくれた相手の気遣いや好意を素直に受けいれることが「甘えて」となるわけですね。「お言葉」の内容は、言葉をかけられる側の状況によって様々です。残業や仕事上のトラブル、病気、心配事、その他、公私を問わずいろいろあります。

「お言葉に甘えて」の使い方

「お言葉に甘えて」が使われる場面で共通していることは、「お言葉」をかけられる側の事情を周りの人が知っている、気づいているといった人間関係があることです。とくに職場などで使われることが多いでしょう。

相手からの心温かい申し出に寄りかかるわけですから、「ありがとう」という感謝の気持ち、あるいは「申し訳ありません」というお詫びの気持ちを一緒に伝えると、丁寧な印象ですね。

敬語の要素を含んでいるため、年齢や立場が上の人に使いますが、同僚や同じ立場の人にも使えます。年下の人や親しい友人などの場合は、「遠慮なく」を使うのが一般的ですが、「お」を外して使うこともできます。

職場1

(同僚)

Bさん、朝から体調が悪そうね。今日は無理せずに早退したほうがいいわよ。課長が帰ってきたら、私から話しておくから。

(同僚)

ありがとうございます。今日は、お言葉に甘えて早退します。皆さんにはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

職場2

(部長)

君たちの頑張りで大きなプロジェクトが成功した。今日は私のおごりだ。みんな遠慮なく好きなものを頼んでくれ。

(部下)

ありがとうございます。お言葉に甘えてご馳走になります。

家庭

(義母)

子どもたちの面倒は見ているから、たまには夫婦二人でゆっくり過ごしてらっしゃい。

(息子の妻)

ありがとうございます。お義母さんのお言葉に甘えて、○○さんと楽しんできます。

「お言葉に甘えて」の類語

「お言葉に甘えて」と同様の表現をするには、「お言葉」を、ご厚意、ご親切、お気持ち、お心遣い、お情けなどに入れ替えるとよいでしょう。以下では、このうちのいくつかをご紹介します。

「ご厚意に甘えて」

厚意(こうい)」は、思いやりの気持ちのことです。言葉ではなく、相手の行動に対して感謝の気持ちをもって受け入れることを「ご厚意に甘えて」という言葉で表現します。

【例文】

  • ご寄付をありがとうございます。皆さんのご厚意に甘えて、被災した社殿の再建に使わせていただきます。
  • お義父さんが、家の修理が終わるまで同居しようと言ってくれているのだし、そのご厚意に甘えてみようか。

「お気持ちに甘えて」

気持ち」は、心の中の思いや考え方のことです。直接「お言葉」がなくても、相手のさりげない言葉や行動、様子などから心中を察して、その気持ちに甘えるときに使う表現です。

【例文】

  • レジが混雑していて残業になりそうだったが、先輩のさりげないそぶりから、そのお気持ちに甘えて先に上がらせてもらうことにした。
  • ほかの社員の手前、課長のお気持ちに甘えて私だけ先に帰れません。

「お心遣いに甘えて」

「心遣い(こころづかい)」は、他人のために気を配ること、配慮することです。「心遣い」してくれた相手の具体的な言葉や行動に対して、感謝してありがたく受けいれるときに使います。

【例文】

  • 今日はお招きいただき、ありがとうございます。お心遣いに甘えて家族で寄せていただきました。
  • 先生方のお心遣いに甘えて、今日はご一緒させていただきます。

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