「お心遣い」とは?意味や使い方をご紹介

「温かいお心遣いありがとうございます」。よく聞くフレーズですが、皆さんは「お心遣い」という言葉の正しい意味、知っていますか?ここでは、「お心遣い」の意味や使い方、さらにシチュエーションに合わせた言い換え表現も含めてご紹介します。

目次

  1. 「お心遣い」の意味
  2. 「お心遣い」の使い方
  3. 「お心遣い」の類義語
  4. 「お心遣い」と間違いやすい言葉
  5. さいごに

「お心遣い」の意味

「お心遣い」は、「心遣い」に尊敬語の「お」をつけた言葉です。辞書で引くときには「心遣い」で引きます。

「心遣い」の意味は簡単にいうと「配慮」。つまり、「相手のことを思いやる気持ちから出た言葉や行動」のことをいいます。

「お心遣い」の使い方

目上の人や年上の人がしてくれた「心遣い」に対してお礼を言う時には、尊敬語の「お」をつけて「お心遣い」としたほうが礼儀に適っています。

親切や配慮を示してもらった時

上司や取引先からお土産をいただいたり、仕事が順調に進むよう計らってもらった時に、「お心遣いありがとうございます」と感謝を伝えます。入院中お見舞いをいただいた場合にも、「温かいお心遣いありがとうございます」と言うと気持ちが伝わります。

現金をもらった時

お祝いなどで現金をいただいたので感謝を伝えたい時にも、「お心遣い」という言葉は便利です。直接「お金」と言うと生々しいので、「お心遣いをありがとうございます」と言い換えるとよいでしょう。

さらに敬意をこめて伝えたい時

「お心遣い」という表現にはすでに敬意がこめられていますが、さらに敬意を念を伝えたい時には、「痛み入る」という表現を加えるのもひとつの方法です。「痛み入る」とは、「相手の配慮や好意のありがたさに恐縮する」という意味です。

「お心遣い」と合わせて、「優しいお心遣いをいただき痛み入ります」「皆さまのお心遣い、誠に痛み入ります」などと使います。「ありがたい」と感謝するだけでなく、「そんなことをしていただくなんて、自分にはもったいないことです」と恐縮する気持ちも伝えることができるので、いっそう敬意が深まるでしょう。

ただし、話し言葉では少々堅苦しい印象になりかねないので、手紙などで用いるとよいと思います。

丁寧に断る時

相手からの申し出や提案を角を立てず断りたい時にも「お心遣い」という表現は使えます。「せっかくのお心遣いですが」などと前置きをしてから断ります。

「お心遣い」の類義語

「お気遣い」

「気遣い」とは、「あれこれと気を使うこと」を意味します。使い方は「心遣い」とほぼ同じで、相手が自分のためにしてくれたことに感謝を伝える際にはどちらの表現を使っても構いません。

しかし、相手の配慮を断ったり遠慮したりする場合には注意が必要です。「お心遣いなく」という表現は日本語にありませんので、「どうぞお気遣いなく」を使いましょう。

「ご配慮」「ご厚意」「ご厚情」

「配慮」は「心を配ること。心遣い」、「厚意」「厚情」もほぼ同義ですが、こちらは相手の言動以上に、「思いやりのある心」のほうを表した言葉です。いずれの表現にも、「お心遣い」と同じく「相手を思いやる気持ち」が含まれていることがわかりますね。

これらの表現に使い方の違いはほとんどありません。どれも、相手が自分のことを考えて取ってくれた言動に対して感謝を伝える時に使えます。

ただ、「お心遣い」はやわらかい印象、「ご配慮」「ご厚意」はかたい印象を与えます。会話の中では「お心遣い」、かしこまった場や文書、メールでは「ご配慮」「ご厚意」「ご厚情」などと使い分けるとよいでしょう。

「お心遣い」と間違いやすい言葉

「お心遣い」と使い方を間違いやすい言葉に、「お心付け」があります。「お心遣い」は目上の人から配慮してもらったり品物をいただいたりした時に使う言葉ですが、「お心付け」はお世話になる人に感謝の気持ちをこめて、こちらから渡すお礼のことをいいます。

例えば、新郎新婦から結婚式場のスタッフへ、「今日はよろしくお願いします」という意味をこめて渡します。また、葬儀場のスタッフや旅館の仲居さん、引っ越し業者など、お世話になる人に渡す機会もあるでしょう。

「お心付け」はこちらが相手に対して示す気づかいのことですから、「お心遣い」をしてもらった時に「お心付けありがとうございます」と言って感謝することはできません。

さいごに

ここでは、「お心遣い」の意味や使い方をご紹介しました。「お心遣い」は、そのシチュエーションに合わせいろいろな表現に言い換えて使うことのできる言葉です。与える印象の違いなども理解して、その場の雰囲気に合わせて使えるようにしたいですね。


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