「童心に帰る」とは?意味や使い方をご紹介

「童心に帰る」とは、大人が子供の頃の純粋無垢な気持ちに戻るという意味。多くの場合、子供のようにはしゃいで遊んだり、幼馴染などとの会話で当時の気持ちを思い出すような状況で使う言葉です。今回は、「童心に帰る」の意味と使い方を状況に照らしながら紹介します。

目次

  1. 「童心に帰る」とは?
  2. 「童心に帰る」と「童心に返る」
  3. 「童心に帰る」の使い方
  4. 「童心に帰る」と似た表現

「童心に帰る」とは?

「童心」の意味

「童心に帰る(どうしんにかえる)」を解説する前に、そもそも「童心」とは何か?ということから説明しましょう。「童」は音読みで「どう」、訓読みで「わらべ」と読み、「子供」という意味を持つ漢字です。

その「童」に「心」が組み合わさった「童心」は、子供の心、もしくは、子供のような純粋な気持ちを表します。

「童心に帰る」の意味

幼い子供でも、嘘をついたり、友達のおもちゃを取り上げたりすることがあり、子供の心がすべからく天使のように純粋というわけではありません。

そうであれ、よくも悪くも様々な体験を重ねて複雑な心が出来上がっている大人からすれば、子供は周りに気を遣うことのない、無邪気な世界の住人です。

「童心に帰る」とは、大人が何らかのきっかけによって、子供のような純粋な心に立ち戻ることを意味します。また、子供のように無邪気にはしゃぐという意味で用いる場合もあります。

「童心に帰る」と「童心に返る」

一般的には「童心に帰る」と書きますが、「返る」が用いられる場合もあり、どちらも間違えではありません

童心に「帰る」の場合

「帰る」は、「自宅に帰る」「故郷に帰る」のように用いられるのと同様に、「もともといた場所に戻る」という意味です。

「童心に帰る」という言い回しでは、場所ではない「童心」を比喩的な意味で、「童心」を幼き日々の純粋な心の場所と捉えています。

童心に「返る」の場合

「童心に返る」の「返る」は、「我に返る」「正気に返る」などと同じく、「もとの状態に戻る」という意味です。

このことから、「童心に返る」は、心が子供の頃の状態に戻るという意味合いを含んでいることがわかります。したがって、「童心に帰る」も「童心に返る」も正しいのです。

「童心に帰る」の使い方

(A子)

先週、小学校のクラス会を、母校の教室で行ったの。みんなで思い出話をしたり、黒板に落書きしたりして、すっかり童心に帰った一日だったわ。

(B男)

日曜日に息子を川に連れて行って、石投げ水切りをやったんだ。何段飛ぶかで俺のほうが熱くなっちゃうくらい、童心に帰ったよ。

(C子)

コーラスのサークル活動をしているのだけれど、人間関係が難しくて。童心に帰って、ただひたすら好き歌を歌いたいってつくづく思うわ。

「童心に帰る」と似た表現

遊び心に溢れる

「遊び心」には、「遊びたいという気持ち」や「ゆとりや洒落っ気のある心」といった意味があります。「遊び心」は、「童心」のように子供の純粋さというニュアンスに特化しません。

しかし、子供といえば「遊び」です。一部の受験勉強づけの子供たちは別としても、たいていの幼年時代、子供時代は、遊びに夢中になれる黄金時代。そんな「遊び」の心に溢れた時間を過ごす大人たちは、童心に帰っていると言えましょう。

文例:この夏は、遊び心に溢れた大人たちが集まって、キャンプを楽しんだ。バーベキューや川遊び、花火と童心に帰った二日間となった。

天真爛漫

天真爛漫(てんしんらんまん)」は、無邪気で屈託のない様子や、純真でありのままであることを表します。このような定義は、「子供心・童心」と通じるものです。だからこそ、「子供のように天真爛漫な」という言い回しも多く見聞きするのでしょう。

文例:由美ちゃんは25才だけれど、本当に天真爛漫だから、いっしょに過ごしていると子供時代に戻ったような気持ちになるわ。

子供に戻る

子供のような気持ちに戻るという意味の慣用表現が、「子供に戻る」です。「子供に戻る」は、「童心に帰る」「遊び心に溢れる」「天真爛漫」のように、子供時代をポジティブに捉えているだけではありません。

「子供に戻る」という言葉は、楽しいことも悲しいことも含めた、幼いころの自分にタイムスリップするようなニュアンスで使われることがあります。

文例:初めての社会人生活に疲れはてたうえに、失恋をして故郷に戻った純子は、母の顔を見るなり子供に戻り、ひたすら泣いてひたすら甘えた。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ