「しばし」の意味とは?
「しばし」は、少しの間、しばらくの間という意味です(漢字では「暫し」と表記)。上代(奈良時代くらい)の古語での形は「しまし」でした。平安時代の和歌やひらがなで書かれた女流文学の作品では、「しばし」に変化しています。
「しばし」の使い方
「しばし」は、何らかのことを継続して行っていた時に、それを中断して少しの間他のことをする際に使われます。「しばしの間」「しばしの休息」のように「しばしの~」という形で使われることもあります。
主に書き言葉や、小説、ドラマなどのセリフで用いられます。「しばし待たれよ」(少しの間待っていてください)のように、古めかしい感じを出すように使われる場合もありますね。話し言葉では、同じような意味の「しばらく」を使う人が多いです。
「しばし」の例文
- 急ぎの仕事の最中で上司のお小言はきつい。しばしの辛抱だ。
- しばし手を止めて、B'zの曲を視聴した。
- 店舗に「しばしお待ちくださいませ」と張り紙があった。
- You TubeのおすすめにTM NETWORKのライブ映像が出てきて、しばし懐かしい思い出に浸った。
- ドラマの最終回で「しばしのお別れ」と副題が付いていた。これは、すぐに続編があるんじゃないかな。
「しばし」の類語
束の間
「束の間」(つかのま)は少しの時間、ごく僅かな時を表す言葉です。「束」(つか)は昔の長さの単位で、人差し指から小指までの4本の指の幅の長さを言います。ごく短いことの例えとして、時間の長さに当てはめて使われるようになりました。
ただし、「しばし」のように、「他のことを中断して行われる」という意味はありません。
【例文】
- 束の間の休息をとり、少しホッとした気分になった。
- 人が途切れたのも束の間、大勢の客がやってきて厨房がまた大忙しになった。
一頻り(ひとしきり)
「一頻り」(ひとしきり)も、しばらくの間という意味がある短い時間を指す言葉です。ただし、「ひとしきり」の場合は、ある短い時間に物事が集中する、勢いが盛んになることを表すのに使います。
【例文】
- 近所の犬が怪しい気配を察して、ひとしきりワンワンと吠えた。
- 夕方にひとしきり雨が降った。