「迅速」の意味とは?
「迅速」とは、物事の進み方がとてもはやい、人の行動などがすばやいという意味の熟語です。「迅」は、速度がはやい、激しいことを表し、この場合は前者の意味です。「速」も、はやいということを表しています。「迅」と「速」で同じような意味を重ねて強調しています。
「迅速」の使い方
「迅速」は、「迅速に~する」と急いで何かをする動作について形容すること、「迅速な~」と名詞の上に付いて物事が速く行われ様子を表現することに使います。例えば「迅速に行動する」や「迅速な対応」などのように使われます。
ビジネス文書や目上の方への会話やメール、手紙などの書き言葉にも「迅速」が使えます。例を挙げると、自分が速く行うと約束する場合、返事や問い合わせの回答を速くしてほしいと相手にお願いする場合、素早く対処してもらえた際のお礼状などです。
ただし、「迅速」を使うと相手を急かすことにもなりかねません。目上の方には失礼にならないよう、適切に敬語を交える必要がありますね。
「迅速」の例文
- 避難訓練は、災害が起こっても迅速に行動できるように行われる。
- Aさんは迅速な対処ができる人だ。
- 台風に関する情報は、迅速に発表してほしい。
- 先般は迅速にご対応頂きまして、誠にありがとうございました。
- 再入荷につきましては、迅速にお知らせする所存でございます。
- 恐縮ではございますが、迅速にご返答いただきますようよろしくお願い申し上げます。
「迅速」の類語
早速・速やか
「早速」(さっそく)と「速やか」(すみ-やか)は、すぐ行うこと、物事の進行が速く手間がかからない様子を言います。すばやい動作ができる「迅速」とよく似ています。
手紙やメールで「早速」を使う機会も多いでしょう。「早速ですが」という言い回しは、直ちに話題に入ることを表し、急いで手短に用件を説明する際に使うこともできます。
また、「迅速」の代わりに使うことも。例えば、お礼のメールで「早速のご対応ありがとうございました」とも記載できます。
【例文】
- パソコンの買い替えをした場合は、速やかに新しいバージョンに移行してください。
- 早速ですが、〇〇の件でご報告いたします。
- 早速のお返事をいただき、無事に処理できました。誠にありがとうございます。
敏速
「敏速」(びんそく)は、人の行動や働きかけへの反応、物事の処理の仕方などが非常に素早いこと、またはそのような様子を言います。同じ意味の漢字を重ねて意味を強調していますが、「敏」については、頭の働きが良く、体の動きがはやいといった意味を持っています。
【例文】
- 上司は仕事を敏速にこなせると評判で、皆から頼りにされている。
- 担当のAさんは、困ったことがあると敏速に対処してくれるので本当に助かっている。
早急
「早急」(さっきゅう/そうきゅう)は、非常に急ぐことを言います。「早」は、時間をおかずにという意味、「急」は、急いですることなどを表しています。「迅速」は、すばやいことを言い、急いで何かをする「早急」と似ていますね。
【例文】
- 事態が急変したので、取引先に早急に面会を申し込んだ。
- 相手先に早急な措置を求めた。
至急
「至急」(しきゅう)も「早急」と同じように非常に急ぐ、大急ぎでということを表し、「迅速」とよく似た意味です。より速さを求める場合は「大至急」を使います。「至」は、物事の極限に達することで、「至急」では、この上なく、極めてといった意味です。
ただし、「至急」の場合は「至急電報」の略称にも当たります。これは、通常の電報(普通電報)よりも先に送信や配達が可能な電報のことです。昭和51年(1976年)には廃止されていますので、現在このような使い方をする例は非常に少ないでしょう。
【例文】
- 回覧板に赤字で「至急ご回覧願います」と書かれていた。
- 顧客から至急の用件があるとのことで、相手先に出向いた。