「転用」とは?意味や使い方をご紹介

「転用」という言葉をご存じでしょうか。「転じて用いる」という漢字から、言葉の意味は何となくわかりそうな気がしますね。実際にはどのような場面で使うのでしょうか。この記事では「転用」について、意味や使い方を例文や類語と一緒にご紹介します。

目次

  1. 「転用」とは
  2. 「転用」の使い方
  3. 「転用」の類語

「転用」とは

「転用(てんよう)」とは、お金や物を本来の目的とは異なった用途に使うことです。昔のマンガなどでは、貧乏な学生が下宿でミカンやリンゴの箱(昔は木製でした)を机やテーブル代わりに使う場面が登場しますが、これも転用といえるでしょう。

日常的な物事から国や自治体の設備など、「転用」は様々な場面で使うことができる言葉です。

「転用」の使い方

以下では、我々の生活に密着した「転用」と、企業活動や国の政策などに関する「転用」にわけてご紹介します。

生活に密着した「転用」

自分の周りを見渡すと、いろいろなものが転用されている例があります。

【例文】

  • 結婚資金として貯めていたお金を親の借金返済に転用したので、結婚式は挙げなかった。
  • インターネットは、アメリカで開発された軍事技術が民間に転用されたものだそうだ。
  • 台風でブルーシートが品切れになったため、タープを転用して雨漏りの応急処置をした。
  • 食品トレイをプランターとして転用して、ハーブを育てることにした。

企業活動や国の政策などに関する「転用」

企業活動や国の政策などの「転用」は、社会問題になったり、汚職事件などに発展することもあります。

【例文】

  • 農地の宅地転用に関係して賄賂(わいろ)を受け取っていた議員が逮捕された。
  • 統廃合によって使わなくなった小学校の校舎を高齢者施設に転用することになり、改装工事が始まった。
  • 観光都市京都は、不足する宿泊施設問題の解決策として、空き家になった京町家の建物を転用することを検討している。
  • ○○商事が某国と輸出契約を結んだ国産電子部品が、軍事転用可能だとするスクープが報じられた。

「転用」の類語

「流用」

「流用(りゅうよう)」は、使い道が決まっているものを別のことに使うことです。意味は、「転用」とほぼ同じですが、普段見聞きする「流用」は、主に金銭の使い道について使われることが多いようです。

国や自治体の予算規則などには、「流用」の定義と範囲が定められており、適正に予算が執行されるようになっています。

【例文】

  • 災害復興のために増税されたのに、復興予算がほかの事業に流用されているなんて許せない。
  • 今月は食費が足りなくて交際費を流用したから、友達と遊びに行けない。
  • SNSユーザのビッグデータ不正流用が国際的な問題となっている。

「代用」

「代用(だいよう)」は、別のものに代えて間に合わせることです。インスタントラーメンを作って鍋からそのまま食べた経験がある人もいるのではないでしょうか。この場合、丼を使うべきところを、料理器具である鍋で代用した(間に合わせた)と言うことができます。

【例文】

  • 昔は教師不足だったために、教員資格を持たない代用教員がいたそうだ。
  • ダイエットで低カロリーの「トーフミート」が、肉の代用として推奨されている。

「代替」

代替(だいたい)」は、あるものに不具合があったため別のものに取り換える、あるものの代わりに何かを使うという意味の言葉です。「代用」とほぼ同じように使うことができます。

最近では「だいがえ」という読みで使われることも多くなった表現です。

【例文】

  • 事故で止まった電車の代替として、関連会社のバスによる振替輸送が行われた。
  • 君は僕の提案に文句ばかり言ってるけど、反対するだけなら誰でもできる。たまには代替案を出したらどうだい。


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