「チムドンドン」の意味
「チムドンドン」とは、胸がどきどきすることを表現する沖縄の方言です。期待が高まっている状態や緊張している状態などを表します。沖縄では日常的に使われる表現のようです。
「チムドンドン」の「チム」には「肝(きも)」や「心臓」「心」といった意味があり、「ドンドン」は胸が高鳴ってドキドキと脈を打っている音を表しています。
「チムドンドン」の使い方
「チムドンドン」は胸がどきどきしている状態ですから、興奮しているときや楽しいとき、嬉しいとき、ビックリしたときなどの感情を表すことができます。また、好きな人に対してドキドキするときにも「チムドンドン」が使えます。
例文
- 子どもの頃から憧れていた人に会えてチムドンドンした。
- 明日のデートにチムドンドンして、まったく眠れない。
- 初めて人前で演奏したときのことは、すごくチムドンドンしていたからあまり覚えていない。
- ホラー映画って先の展開は読めるのに、見るたびにチムドンドンしちゃう。
「チムドンドン」の類語
チムダクダク
「チムダクダク」は、胸騒ぎで胸がドキドキする場合に使う表現です。悪い予感がしたり心配事があったりしてドキドキすることを表します。また、身体の異変による動悸(どうき)を指して言うこともあるようです。
チムワサワサ
「チムワサワサ」は、気持ちが落ち着かずにドキドキする状態を表現する言葉です。「チムワサワサー」とも言います。不安や胸騒ぎだけでなく、心が浮き浮きするなどのそわそわしている状態も表します。
沖縄の方言とは?
沖縄の方言は「沖縄弁」や「沖縄語」とも言われますが、沖縄では「ウチナーグチ」と呼ばれます。「ウチナーグチ」の「ウチナー」とは、「沖縄」という意味です。
標準語とウチナーグチでは、発音に大きな違いがあります。標準語の母音は「アイウエオ」と発音されますが、ウチナーグチでは「アイウイウ」と発音されるようです。
さらに、ウチナーグチは、沖縄本島と宮古島などの離島、さらには沖縄本島の北部・中部・南部などの地域によっても異なるものです。そのため、沖縄の人同士であってもお互いのウチナーグチの意味がわからないことがあるようです。
「ウチナーグチ」と「ウチナーヤマトグチ」
ウチナーグチは昔から使われてきた伝統的な沖縄の言葉ですが、現在では高齢者などウチナーグチに詳しい人たちによって使われる言葉となっており、広く使われているとは言い難い状況です。
現在、沖縄でよく使われている言葉は「ウチナーヤマトグチ」と言われるものです。「ウチナーヤマトグチ」は、戦後に使われるようになったもので、ウチナーグチと標準語を混ぜ合わせた沖縄弁のことを指します。「ヤマトグチ」は「標準語」という意味です。
標準語が混ざっているので、沖縄県外から来た人が理解できる言葉も多いと言われています。しかし、「来る」と「行く」のどちらの意味も「来る」という言葉で表現するなど、標準語とは違う特徴もあります。
「チム」を含む沖縄の方言
「チム」を含む表現は、「チムドンドン」の他にもいろいろとあります。「チム」は心を示す言葉であることから、「チム」を含む表現には、感情や心の状態を表すものが多く見られます。
チムグクル
「チムグクル」は、漢字で書くと「肝心」となり、真心という意味があります。表面的なものではなく、より深く心から相手のことを思いやる気持ちを表します。「グクル」は「心・精神」という意味の言葉です。精神が豊かであることを表すときに使われるようです。
チムチュラサン
「チムチュラサン」は、心が美しいことを意味します。「チュラサン」は「美しい」という意味です。「チュラサン」は、ドラマのタイトルや水族館の名前などさまざまなところで使われていますから、馴染みのある方も多いでしょう。
チムガナサン
「チムガナサン」は、心から愛おしいという意味です。「カナサン」は「愛している」「愛おしい」という気持ちを表します。
チムグスイ
「チムグスイ(肝薬)」は、心に染みる言葉や体に良い料理のことを指して使われる言葉です。「グスイ」には「薬」という意味があります。
「〇〇グスイ」という言葉は他にもあり、「ヌチグスイ(命薬)」は「体に良い食べ物」や「美味しい食べ物」のことを、「ミミグスイ(耳薬)」は「美しい音楽」のことを表します。