「直径」とは
「直径」とは、円・楕円・球において「円周上の1つの点から、中心を通って反対側の円周まで伸ばした点を結ぶ直線」のことです。と、言葉で説明したほうが逆に難しく感じるかもしれません。
「直径」は、義務教育の小学3年生で学習する内容ですから、ご存知だと思います。正円や完全な球の場合は、どの位置の「直径」でも、長さは同じです。一方、「直径」が位置によって異なる場合は楕円形等をしていることになります。
なお「円周」とは文字通り「円を形作る周囲の線」のこと、要は「マル」のことです。
「直系」とは
「直径」と「直系」は同じ読み方ですが、意味は全く異なります。
「直系」とは親子の関係で継続する系統のことです。父母・祖父母などは「直系尊属」、子・孫などは「直系卑属」と呼びます。
「直系」の対義語は「傍系」です。兄弟、甥(おい)・姪、(めい)従兄弟・従姉妹(いとこ)などが「傍系」にあたります。
「直径」に関わる算数用語・公式
以下では、楕円形等は除き、正円・完全な球体にのみ限って記載します。
「円周の長さ」を導く公式
「円周の長さ」、つまり「マルの線の長さ」を導く計算式は以下です。
- 円周の長さ=π(パイ)×直径
πとは「円周率」と呼ばれる定数(決まった数)です。実は正確な円周率は、高性能コンピュータですら導き出せません。「3.141592・・・」と無限に続きます。よって近似値(近い値)として「3.14」を使うのが一般的です。
つまり「円周の長さ」は「直径」の3倍よりちょっと長いことになります。これは以下の方法で簡単に確認できます。
まず直径の長さを測り、その長さの3倍の長さの糸を作ります。その糸で円周を囲おうとしても少し届きません。つまり円周率は3より少し大きいことになります。
なお「ゆとり教育では円周率は3として教えていた」というのは誤った情報です。
「直径」と「半径」
「直径」に対し、円・球の中心から円周までの長さを「半径」と言います。「半径」は文字通り「直径」の「半分」の長さになります。
「円の面積」を導く公式
- 円の面積=π×半径×半径
で求めることができます。
「球の体積」を導く公式
これは文系の方は習っても覚えていないかもしれません。
- 球の体積=4/3×π×半径×半径×半径
地球の体積は1リットルのペットボトル何個分?
「1メートル」の定義
実は「1メートル」という長さは、地球の北極から赤道までを1万キロメートルとして、それを1万分の1にすることで決まった長さです。単位は神様が単決めてくれるわけではないので、自然界から基準を決めるしかありません。例えば、1立法メートルの水の重さを1kgとしていますし、水の沸点を100℃、凝固点(融点)を0℃としています。
地球の円周の長さ
北極から赤道が1万キロメートルなのですから。1周すると約4万キロメートルであることが分かります。これが地球の円周の長さです。
地球の直径
既に述べた公式から「円周=π×直径」ですので、これに当てはめると「4万キロメートル=3.14×直径」となり、地球の直径は約12,739メートルとなります。
地球の半径
半径は直径の半分ですから、「半径=12,739÷2=6,369.5」となります。ここでは小数点を四捨五入し6,370メートルとしておきます。
地球の体積
既に述べた公式から「球の体積=4/3×π×半径×半径×半径」ですので、
- 地球の体積(メートル)=4/3×3.14×6,370×6,370×6,370
となりますが、メートルでは桁数が多くなりすぎるため、6,370メートルを6.37キロメートルとして計算します。
- 地球の体積(立法キロメートル)=4/3×3.14×6.37×6.37×6.37
となり、地球の体積は1,082立法キロメートルとなります(小数点四捨五入)。1立法キロメートルは1,000,000,000メートルです。よって立法メートルに直すと1,082,000,000,000立法メートルになります。
既に述べた通り、1立法メートルの水の重さは1kgですので、1kgの水、つまり1リットルのペットボトル1,082,000,000,000個分(1兆820億個分)が地球の体積となります。
途方もない大きさですね。
地球は歪んだ球
ちなみに地球は完全な球ではなく、赤道を結ぶ直径のほうが、北極と南極を結ぶ直径より長い、つぶれた球体になっています。これは地球が自転しているおり、遠心力の影響で赤道側の重力(引力)が小さいためです。ですので先ほど求めた地球の直径や体積は正確ではありません。
とはいえ、地球の円周の知識から直径、半径、体積まで大まかに計算し、地球の大きさをペットボトルの量でイメージできるというのは、ちょっとした空想として楽しめたのではないでしょうか。