「はかる」の語源と意味
「はかる」の語源には、いくつか説があります。1つは、仕事の進み具合や目当てを意味する「はか」に「る」がつけられた動詞になったという説です。また、「はりかぎる(張・限)」を語源とする説もあり、これは、親指と人差し指を張り広げて、何回も繰り返して、長さなどを限っていくという意味から来たとするものです。
このような語源がもとになって、日本人は「はかる」という言葉で、「重さ」「長さ」「深さ」「人事」「相談」「計画」など様々な「はかる」「はかりごと」を表現します。つまり、「はかる」の大まかな意味は、ああでもないこうでもないと操作して「物理的な量をはかること」や「頭の中で何かをはかること」に集約されるのです。
「図」という漢字の意味は?
「図」という漢字は「穀物(麦)を国家がしっかり囲っている」ことを表しています。国家が食糧(穀物)を確保しているという意味を表していましたが、国家には経済的基盤を作るために耕作地を開拓したり、倉庫を設置する計画が欠かせません。そうした「計画」や「企て」をさすものとして「図」という漢字が使われました。
さらに、耕作地や開発計画、倉庫の設置場所などを記録するための絵や地図が「図」の意味として含まれるようになりました。そのため、「図」が用いられる熟語には「意図」「企図」「図書」「図画」「図形」などがあるのです。
「図る」はどういう時に使われるのか?
「図る」には、ビジネスシーンで表現される「はかる」が数多く含まれています。主な例を挙げてみましょう。
- 「利益を図る」「再起を図る」「向上を図る」のように、工夫して努力すること
- 「便宜を図る」のように、物事を上手く処理すること
- 「解決を図る」「合理化を図る」「自殺を図る」のように、考えて物事を企てること
「図る」以外の表現:量を調べる場合の使い方
測る
「測る」は、ものさしやはかりを使って、長さ、深さ、高さ、広さ、速さなどを調べる時に使います。「測」の字は、「水」・「土器」・「刀」を意味する象形文字から成り立っており、ものさしで水の深さをはかることを意味しています。
特に、ものの高さ、長さ、深さ、広さなどを測定器を使ってはかる場合によく用いられます。「測」を使った熟語には、「測量」「測定」などがあります。
- 距離を測る
- 水深を測った
- 血圧を測ります
計る
「計る」は、ものの量を数えてはかることや、量の出入りをはかる時、物事のよしあしを考える時に使います。「計」の字は、「とってのある刃物」「口」「針」を意味する象形文字から成っており、口に出して数を数えることを意味しています。
時間や数をはかる時や、アイデアを考えて練るという場合に、「計る」がよく用いられます。「計」を使った熟語には、「計算」「計上」「計画」「計略」「計器」「時計」などがあります。
- 時間を計る
- 利益を計る
- 特別の計らいによって免除されました
量る
「量る」は、道具を使って、ものの量や容積を調べる時に使います。「量」の字は、「穀物(米)を入れる袋」とその上に置かれた「じょうご」の象形文字から成っており、量をはかって保存しておく米をあらわし、量をはかるものを意味しています。
はかりや升を使って重量や容積をはかる時に「量る」がよく用いられます。「量」を使った熟語には、「計量」「推量」「測量」などがあります。
- 体重を量る
- この総菜コーナーの商品は、量り売りです
- 相手の気持ちを推し量って伝えてください
「図る」以外の表現:考えたり相談したりする場合の使い方
諮る
「諮る」は、もともとは目上の人が目下の人へ問うたり、意見を求めるということを意味していましたが、現在は上下関係なく誰かに相談する場合に用いられています。「諮」の字は、「とってのある刃物」「口」「人が吐息をついている」「口」を意味する象形文字から成り立っています。
ある問題について誰かに相談するといった場合によく使いますが、現在は目上・目下といった上下の関係なく、誰かに相談する場合に使われます。「諮」を使った熟語には、「諮問」「諮詢」などがあります。
- この企画については、来週の会議で諮ることにしましょう
- 大切な内容なので、関係者で諮って進めることにします
謀る
人にわからないように悪だくみするといった場合によく使われます。「謀」を使った熟語には、「謀反」「謀計」「謀略」などがあります。
- その囚人はひそかに脱走計画を謀っていた
- 織田信長が明智光秀に謀られたと思った時にはすでに遅かった