「功罪」とは?意味や使い方をご紹介

「功罪相半ばする」などの表現で目にすることも多い「功罪(こうざい)」。しかしながら、あらためてその意味を問われると困惑してしまうという人も少なくないでしょう。そこで、今回は「功罪」の意味や使い方を例文もまじえながら解説していきます。

目次

  1. 「功罪」の意味とは?
  2. 「功罪」の使い方
  3. 「功罪」を使った慣用句
  4. 「功罪」を英語で表すと?

「功罪」の意味とは?

「功罪」とは?

「功罪」とは、良い点と悪い点という意味を持つ名詞です。あるいは、メリットとデメリットというカタカナ語で言い換えることもできます。

「功績」と「罪過」、これら二つを合わせてできたのが「功罪」だと考えると分かりやすいのではないでしょうか。もちろん、「功績」が良い点で、「罪過」が悪い点であることはいうまでもありません。

「功罪」の字義

「功」には、手柄やはたらきをはじめ、さまざまな意味があります。その中で「功罪」で用いられているのが成果という意味です。成果は、目的にかなった良い結果のことを言います。さらに、すぐれた成果を表す言葉が功績です。

「罪」は、法律上・宗教上・道徳や社会通念上、悪いとか許されないとされていることを指します。「功罪」の罪過は、罪と過失(あやまち)という意味です。この罪過も、法律上のものだけでなく、道徳や社会通念、あるいは宗教上のものも含んでいます。

「功罪」の使い方

「功罪」を使用する際の注意点とは?

「功罪」は、誰かのしたことを第三者が論評を加えるかたちで用いられる言葉です。したがって、まだ実行されていない将来のことや自分自身の行動について言及する場合には原則として用いられません。あくまでも、第三者的な視点が求められるというわけです。

将来のことについて言及する場合には「功罪」よりも「利点・欠点」とか「メリット・デメリット」を使うほうが好ましいでしょう。

「例文」

  • 前経営陣が成し遂げた功績ばかりを讃えるのではなく、功罪の両方をきちんと評価しなおす必要があるのではなかろうか。
  • 彼が我がチームに加入したことはもちろん良い影響ももたらしたが、功罪相半ばするといった方がより正確な評価だろう。
  • 倒産や失業などの大量の出血をともなった彼女の政治改革は功罪相償うものであり、一方的に非難すればいいという性質のものではない。

いずれの例文においても、「功罪」は既に行われたことについて用いられています。また、意味を分かりやすくするには「良い点と悪い点」のような平易な言葉と置き換えてみるのもひとつの手段です。

【功罪を使わない例文】
  • 全ての小中学校の紙媒体の教材をなくしてしまうことの利点と欠点(メリットとデメリット)をきちんと考えたことがあるのかね。

「功罪」を使った慣用句

【功罪相半ばする(こうざいあいなかばする)】
この慣用句は、なされた行為について良い点と悪い点が同じ程度存在する様子を表しています。それにより、特に良いとも悪いとも言い切れないのが特徴です。

功罪相償う(こうざいあいつぐなう)】
この慣用句は、功績が罪過によって打ち消される、または罪過が功績によって大目に見られるという意味で使われます。

「功罪」を英語で表すと?

功罪を英語で表したものの中で、もっとも分かりやすくよく用いられるもののひとつが"merits and demerits”です。これは日本語の「メリット・デメリット」に相当します。

また、"good and bad aspects"という表現もよく見かけられるもののひとつです。こちらは、「良い側面と悪い側面」などと直訳されます。

「功罪」を含む英文の例

  • The merits and demerits of their policy offset each other.(彼らの政策は功罪が相半ばしていた)
  • It's true that the plan had both good and bad aspects.(その計画には功罪両方の面があったのも事実だ)


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