「剛直」とは?意味や使い方をご紹介

「剛直」という言葉を聞いたことがありますか。あまり耳にしないかもしれません。似た意味の言葉に「頑固(がんこ)」とか「強情(ごうじょう)」がありますが、こちらはよく聞くのではないでしょうか。この記事では「剛直」の意味や使い方とともに似た言葉もご紹介します。

目次

  1. 「剛直」とは
  2. 「剛直」の使い方
  3. 「剛直」の類語

「剛直」とは

「剛直(ごうちょく)」とは、「意志が強くて、信念を曲げないこと。気性が強く、心が正しいこと」を意味します。頼りがいのある感じがしますが、裏返すと柔軟性がなく頑固(がんこ)というイメージも見えてきますね。

「剛」は、「強く勇ましいこと。強くかたいこと」で、「剛健(ごうけん)」「金剛(こんごう:ダイアモンドのこと)」などの言葉で使われています。

一方の「直」は、「まっすぐ。すなお。ただしい。ちょくせつ」という意味を持ち、「直線」「正直」「直接」などの言葉でおなじみですね。

「剛直」の使い方

「剛直」は、主に人の性格を表すのに用いられますが、物の性質などを表現することもあります。例えば、化学の分野で、高分子(分子量の非常に大きな分子でたんぱく質やゴム、絹などのこと)の性質に「剛直」を使う場合もあります。

【例文】

  • 彼は、剛直な人間でどんなささいなルール違反も許さないため、周りから煙たがられている。
  • 師匠は、自分に弟子にも厳しい剛直な人だが、時折、やさしさが垣間見られ、弟子たちから慕われている。
  • 剛直で悪や不正を憎む彼女は、検察官になろうと決心した。
  • 弓は、しなやかさと剛直さをあわせ持った武具だと思う。
  • 化学の分野で「剛直」というのは、「屈曲性」が低いということらしいけど、文系の人間にはよくわからないね。

「剛直」の類語

「剛直」の類語としては、「意志が強く、信念を曲げない」という点に注目すると「頑固」「強情・剛情」「硬骨(こうこつ)」などの言葉が挙げられます。

また、「剛直」の「気性が強く、心が正しい」という意味に注目するならば、「廉潔(れんけつ)」といった言葉も類語に当たります。以下、ひとつずつ見ていきましょう。

「頑固」

「頑固」とは、「かたくなで意地っ張り。他人の意見を聞かず、自分の考えや態度に固執すること」を言います。「頑固おやじ」という表現がピッタリ当てはまる言葉です。

「意地っ張り。固執する」とはややニュアンスが異なりますが、「意志が強い。信念を曲げない」という点で「剛直」と共通するものがあります。

【例文】

  • 間違いを指摘されても絶対に譲らないし、誤らない。頑固おやじにも困ったものだ。
  • 甥っ子は、欲しいおもちゃがあると買ってもらえるまでその場に座り込んで梃(てこ)でも動かない頑固者だ。

「強情・剛情」

「強情・剛情」は、「意地を張って自分の考えを変えないこと。また、そのさま」という意味を持っています。「意志が強い。信念を曲げない」という点で「剛直」と共通するものがありますね。

「頑固」とよく似ていますが、「頑固」は、「自分の考えを押しとおす」というニュアンスが強く、「強情・剛情」は、「他人の意見を聞き入れない」というニュアンスが強い言葉です。

【例文】

  • 誰の目にも明らかな物証を示されても、被疑者は、強情に黙秘を通した。
  • 兄弟げんかの理由を尋ねても、二人とも強情を張って言わなかった。

「硬骨」

「硬骨」は、「意志が強く、権力などに屈しないこと」を意味します。「硬骨」な人のことを「硬骨漢(こうこつかん)」や「硬骨の士(し)」と言います。「意思が強い」という点で「剛直」と通じています。

【例文】

  • 硬骨漢のA君は、上層部の圧力に屈することなく、正論を貫いて行動した。
  • 生まれながらに硬骨な彼女は、曲がったことが嫌いで、一度も交通ルールも破ったことがない。

「廉潔」

「廉潔」とは、「私利私欲がなく、心がきよらかなこと」を言います。「清廉潔白」とも言います。「廉潔」を通していくためには「簡単には曲がらない心の正しさ」が必要と考えると、「剛直」に近しい言葉と言えるでしょう。

【例文】

  • 廉潔の士として評判の高かった政治家が、収賄容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。
  • 「世の中は、清廉潔白だけではだめだ。清濁(せいだく)併せ飲む度量が必要だ」と言う人もいる。


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