「謹製」の意味とは
「謹製」(きんせい)とは、品物などを謹(つつし)んで作るという意味です。「謹」は、うやうやしくかしこまることです。敬語ではありませんが、相手の立場を上に見てへりくだる気持ちを表します。「製」は、商品などを作ることです。
「謹製」の使い方
「謹製」とだけ商品のパッケージに入る場合もありますし、「〇〇屋 謹製」と製造者の屋号や名前と一緒に入れられるケースも見られます。
品物の製造者やメーカーが「謹」の字を使い、購入したお客に対してかしこまる様子を表しています。「〇〇屋(製造者)がお客様のために謹んで作りました」と心を込めて丁寧に製造する様子がうかがえるでしょう。
「謹製」は、普段口にする物よりも、御遣い物(おつかいもの)の上等なお菓子など、特別な食材を使い手間暇かけて作られた食品に表示されることが多いです。食品以外では、原料や加工にこだわった高級な商品、趣向を凝らした限定品などにも表記される例もありますね。
「謹製」を使った例文
- 桜餅の包装紙に「A屋 謹製」と書かれている。
- 肉汁たっぷりで美味しそうなお中元の「謹製」豚ロース。
- 謹製と書かれている方のタオルは、肌触りがよくふんわりしているね。
- 限定のカレンダーに謹製と入っていたよ。
「謹製」の類語
「上製」も「特製」も食品のパッケージに書かれている場合があります。「謹製」の類語ではあっても、少し違うニュアンスで使われます。
上製
「上製」(じょうせい)とは、作りが通常のものよりも上質で良い物を言います。固くて丈夫な紙を表紙に使った本(英語で「ハードカバー:hardcover」)を指す場合もあります。上質な品物を指す場合「謹製」と似ていますが、へりくだる意味はありません。
【例文】
松茸がたくさん入っている雑炊(ぞうすい)を「上製の雑炊だ!」と言ったら周囲の人が吹き出していた。
特製
「特製」(とくせい)は、特別に気を配って作ることです。品物のことを指す場合「特製品」とも言います。「謹製」にも丁寧に作るというニュアンスが入ります。ただ、お客に対してかしこまる様子は「謹製」の方が強く感じられるでしょう。
【例文】
まろやかな味わいにこだわった当社特製のヨーグルトです。