「平易」の意味
「平易」(へいい)とは、単純でやさしく理解がしやすいこと、たやすくできることです。「平」と「易」の漢字は、どちらも「やさしい」や「たやすい」ことを表し、意味を重ねて強調している熟語です。
「平易」の使い方
「平易」は、あるものに対する技術や知識を十分に持っていなくとも分かりやすい、多くの人にとって難なくできることを表現します。書籍などにおいては、初心者向けに編集されていることを示す際にも使われます。
具体的な対象を伴って、「平易な文章」「平易な解説」「平易な和訳」などの言い回しも一般的でしょう。
「平易」は、どちらかと言えば文章で見かけることの多い言葉です。口語表現では、「簡単」や「易しい」(やさしい)といった表現のほうが伝わりやすいかもしれませんね。
例文
【理解しやすい】
- 初心者向けの講座では、専門用語を使わず平易に説明することを意識しよう。
- 日本語にあまり慣れない外国人のために、災害時などはわかりやすく平易な日本語が求められる。
【たやすくできる】
- 新しく買ったピアノの教本は、両手で弾く練習を始めた人でもできるほど平易だ。
- 平易な練習問題を十分に解いてから、応用問題に挑戦してみましょう。
「平易」の類語
容易
「容易」(ようい)は、いとも簡単にできる、やさしいという意味において、「平易」の類語たりえます。「容易い」(たやす-い)と字が当てられることもあります。「平易」にはあまり見られない使い方ですが、こちらは「容易ではない」と打ち消して用いる場合も多いでしょう。
【例文】
- その宿題なら参考文献が豊富だから容易にできるよ。
- 彼女を承知させるのは容易なことではない。
簡単明瞭
「簡単明瞭」(かんたんめいりょう)とは、物事や表現がやさしい、単純ではっきりしていてわかりやすい様子をいいます。
「簡単」は、物事が込み入っていないこと、単純でわかりやすいことを指し、「明瞭」は明らかではっきりとわかることです。「平易」と入れ替えて使っても、大きな違和感は感じないでしょう。
【例文】
- 簡単明瞭な問題で、小学生でも難なく解けるだろう。
- この家具の説明書は簡単明瞭で、初めて組み立てる人にも順番がよくわかる。
「平易」の反対語
難解
「難解」(なんかい)とは、物事が難しくてわかりにくいこと、問題などを解釈しようとしても理解に苦しむ様子ことを表します。
【例文】
- 最初から読んでいるが、難解な本で途中で投げ出してしまった。
- 先生の話は難解で、教科書のどこを説明しているのかもよくわからない。
晦渋
「晦渋」(かいじゅう)は、言葉や文章などが非常に難しくて意味がわかりにくいことをいいます。論文などの筋道や主張したいことがよくわからない場合にも使われます。
「晦」は、月が隠れていて暗い、辺りが見えないことから、「わからない」ことを指します。「渋」はなめらかに進まない、滞るという意味で、「理解がしにくい」と解釈できます。
【例文】
- 晦渋な文章では、最後まで読んでもらえないかもしれない。
- せっかくの名作も、晦渋な和訳では作品の良さが伝わらない。