「有志」の意味
「有志(ゆうし)」の意味は、「ある事柄についての関心やそれに関係する意志を持っていること。またその人」です。「同じものに関心を持った人々が共に何かを促進させる」という意味も含まれており、「有志」自体は単数とも複数とも捉えられます。
一般的には「有志によるプレゼント」などのように「複数人」を指す言葉として使われることが多いです。お世話になった人に対する「感謝の気持ち」、苦労している人を「助けたい気持ち」など共通する気持ちを持った人々の集まりと解釈できます。
「有志」の使い方
「有志」は、例えば「〇〇研究室 有志」や「△△部 有志」というように使います。これはお世話になった方に感謝の気持ちとしてプレゼントを渡す場合です。
また「有志募集」のような貼り紙を見た事はありませんか。これは部活やサークルの勧誘、ボランティア募集の時によく使われる文言です。「有志」と聞くと何かお堅い感じを受けますが、この場合は簡単に「興味のある人」と受け取ってよいでしょう。
またクラスで「有志を募ります。1人1000円でお願いします」と言われた場合、断るのが難しくなります。支払いは任意で、強制ではありませんが、ここで支払わないと印象が悪くなると考えてしまうからです。こういったケースでは表現に注意が必要です。
例文
- あの名監督亡きあと、監督の作品を愛する有志たちによって回顧展が開催されることになった。
- 今年で〇〇先生が定年となります。卒業生の中から有志を募り、贈り物をお渡ししようと考えています。
- 今日の深夜0時よりネット上において祭りに参加する有志を募ろうと思う。
- 災害からの復興イベントとして地元の有志による餅つき大会が開催された。
「有志一同」は誤り?
「有志一同」という表現が誤りであるかどうかは以前から議論されているところです。「有志」自体に「集まり」という意味が含まれているため、「一同」を付けると意味が重複するからです。しかし、「有志一同」を使用してはいけないケースも存在します。
それは、「香典のマナー」です。香典の表書きに「有志一同」と記す人がいます。今ではマナー違反の代表例として知られていますが、この場合には適した記し方があります。
香典の表書きには連名の場合「〇〇会社△△課 一同」もしくは「〇〇会社△△課 有志」と記すのがマナーだと言われています。
「有志」を使った言葉
「有志連合」
ニュースで、「有志連合」という言葉を聞いたことはありませんか。1990年代以降、冷戦終結後に国連の既定するPKO(国連平和維持活動)に属することなく、平和維持活動や軍事介入を行う国際連携関係の名称です。
地域概念に捉われることなく意志と能力を持つ国や地域が集まって出来た連携関係に「有志」という名が付けられたわけです。しかし、後ろ盾がなければ組織を継続することは難しく、現在はアメリカが主導となって有志連合を動かしています。
「有志者事竟成」
「有志者事竟成」は、漢文で「志(し)有る者は事(こと)竟(つい)に成るなり」と読みます。意味は「強い意思を持って物事に取り組めば必ず成功する」です。中国では、この言葉を「座右の銘」にしている人も多いそうです。
由来は、『後漢書』(岩波書店刊)第三冊「耿弇(こうえん)列伝第九」428ページに記されています。ここでも「有志」は「志を持つ者」として表記されています。
「有志」を英語で表現
「有志」は、英語で「volunteer」と言います。日本でも馴染みのある「ボランティア」です。他にも「興味のある人」という意味で「interested person」でも通じるでしょう。
【例文】
I'm going to clean the Tama River next Sunday with my classmates interested in cleaning it.(来週の日曜日にクラスの有志で多摩川の清掃をすることになった。)