「気運」とは?意味や使い方をご紹介

政治や経済などの動向や世論など、世の中で生じる変化にある傾向が生まれることがあります。その傾向が強くなることを表す言い回しのひとつが「気運が高まる」です。この記事では、ここで使われている「気運」という言葉の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「気運」とは?
  2. 「気運」の使い方
  3. 「気運」の類語
  4. 「気運」の英語表現
  5. 「気運」と「機運」

「気運」とは?

「気運」の意味

「気運」には、物事がある方向へ向かおうとする傾向、世の中の成り行きといった意味があります。「時勢」と言い換えても良いでしょう。

「気」の字義

「気」という漢字には、実にさまざまな意味があります。「気運」の「気」は、何となく感じられる勢い心の動きを表しています。

「運」の字義

「運」という字もまた、さまざまな意味を持っています。「気運」の「運」は巡り合わせ・巡りを指しています。

「気運」の使い方

「気運」は、おもに、政治や経済などの情勢や、世論などの変化にある傾向が生じたときに使う言葉です。

【例文】

  • もうそろそろ自粛モードを解除するべきだとの気運が起こり始めた。
  • 世間の定時退社推進の気運に乗って、我が社も定時退社する人が増えてきた。
  • 世情を鑑みると、国のトップを代えようという気運が生じたのもやむを得ないだろう。

「気運が高まる」

「気運が高まる」は「気運」を含む慣用句としてよく用いられます。「気運が高まる」は、「物事がある方向に向かう傾向が強くなる」という意味です。ここで、下の二つの例文を見てみましょう。

  1. ○:国内経済の回復の気運が徐々に高まっている。
  2. ×:国内経済の気運が徐々に良くなってきた。

1は、経済回復という変化に対して「気運」を用いた上で、回復の傾向が強くなると言っているので正しい使い方です。

一方、2は「国内経済の状態が良くなってきた」という傾向に対して「気運」を使うべきところを、「気運が良くなる」と言ってしまっています。これは「気運」の誤用と言えます。

「気運」の類語

「趨勢」

趨勢」(すうせい)とは、物事がどうなっていくかという様子社会などの成り行きという意味です。「機運」とほぼ同じ意味ですが、「趨勢が高まる」といった使い方はしません。

【例文】

  • 時代の趨勢が読めない者は、大きな損をしてしまいかねない。
  • 試合終盤のカウンター攻撃により、勝負の趨勢は決定的となった。

「時流」

時流」(じりゅう)とは、その時代の傾向や風潮のことです。傾向という点においては「気運」に通じるところがありますが、「時流」の方が長いスパンを表すことが多いでしょう。

【例文】

  • 彼女のビジネスが成功したのは、まさに時流に乗った結果だといえよう。
  • この車種の最新モデルは、時流に合わせてデザインが一新された。

「気運」の英語表現

「気運」は、英語で「trend」「tendency」を用いて表すことができます。これらの英単語は、それぞれ「傾向」や「趨勢」と訳されることが多いものです。

いずれの単語も、物事がある方向に流れがち・向かいつつあるというニュアンスがあります。具体的な用法は以下の通りです。
 

  • We should pay attention to trends to adopt a new wage plan.(我々は、新しい賃金プランを採用しようという気運に注意を払うべきだ。)
  • In fact, there was a growing tendency toward educational reforms.(事実、教育改革への気運は高まりつつあったのだ。)

「気運」と「機運」

「気運」の同音異義語に「機運」があります。「機運」とは、ある物事を成すのに良い機会時機という意味です。

【例文】

  • 機運が熟し、彼は独立して自分のブランドを立ち上げた。
  • 彼の業績を再評価する機運が生まれた。

「気運」と「機運」は混同されることもありますが、「気運」は傾向、トレンド(trend)のこと、「機運」は良い機会、チャンス(chance、opportunity)のことです。


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