「疑問」とは
「疑問」の意味のひとつは、文字通り、「疑い問うこと。疑わしいこと」です。また、「本当かどうか疑わしいこと、または、そのような事柄」を指すこともあります。つまり、「なんで?」「それ本当?」と思うことやその対象となることですね。
「疑問」の使い方
- 彼女の言葉をそのまま信じていいのか疑問だった。
- 素朴な疑問だが、彼は彼女と付き合っているのだろうか。
- お客をさばくのに手いっぱいで、彼の不在を疑問に思う余裕がなかった。
- その製品の品質に疑問を呈する者も少なくない。
- 失策の原因ははっきりしていて、疑問を差し挟む余地がない。
- 父の残した日記を読んで、長年の疑問がようやく解けた。
「疑問視」
「疑問視」は、「疑問視する」という動詞形で用いられることが多い言葉です。「疑問視する」は、「疑わしく思う」「疑問を持つ」ことを表します。
【例文】
- これだけの規模の開発をこの工数で納められるかは、社内でも疑問視されている。
- 彼の党首としての資質を疑問視する声もある。
「疑問点」
「疑問点」は「疑問に思う箇所」「疑わしいところ」という意味です。「疑問点を挙げる」などのように、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。
【例文】
- 事故の検証結果にはいくつかの疑問点が残っている。
- 彼はこちらが指摘した疑問点にひとつひとつ答えていった。
「疑問符」
「疑問符」は「?(クエスチョンマーク)」のことです。この記号自体を指すこともありますが、「疑問を抱く」「理解できない」というニュアンスで、以下のように用いられることもあります。
【例文】
- その物質に薬効があるかどうかについては疑問符が付けられている。
- 上司から説明を受けた彼女の頭には、疑問符がたくさん浮かんでいた。
「疑問」の類語
不審
「不審」<ふしん>には、「疑わしく思うこと、または、そのような事柄」、あるいは、「嫌疑を受ける」ことを指しています。「疑問」は前者の意味はほぼ同じですが、後者の意味はありません。
【例文】
- いつも雄弁な彼女が無言でいることを不審に思った。
- 反目し合っていた彼らが急に親密になったことを不審がる者もいた。
訝る
「訝る」<いぶかる>とは、「疑わしく思う」、または、「はっきりしないので心もとない」ことを表します。前者は「疑問に思う・疑問を抱く」などと同じ意味です。
【例文】
- 物音がしたので訝って窓の外を見た。
- 私が急に賛成派に回れば訝る人もいるに違いない。
不思議
「不思議」にはいくつかの意味がありますが、「疑問」に近いのは、「原因や理由などを考えつかないこと」「説明のつかないこと」という意味です。
【例文】
- この事件について、ひとつだけ不思議に思う点がある。
- 突然、借金が帳消しになったのだから、彼女が不思議がるのも当然のことだ。
首を傾げる
「首を傾げる」<くびをかしげる>とは、疑わしく思う・納得がいかないことを指します。疑わしい、納得できないといったとき、思わず首を横に倒してことがあるでしょう。そのような動作から生まれた言い回しで、「疑問に思う・疑問を抱く」などと同じ意味です。
【例文】
- 祖父は、若者のすることはわからないと首を傾げた。
- 彼の釈明には首を傾げる部分が多い。
胡散臭い
「胡散臭い」<うさんくさい>は、何となく怪しげで油断ができない・疑わしいことを表す慣用句です。前者ニュアンスは「疑問」にはありませんが、ほぼ同じ意味を表していると言っていいでしょう。
【例文】
- 彼が持ってきた儲け話はどうも胡散臭い。
- 急に訪ねてきたその女性を、みな胡散臭そうに見ていた。
「疑問」と「質問」
「疑問」に似ている言葉に「質問」があります。「質問」とは「疑わしいことや分からないことを問いただすこと」を言います。「疑問に思うことを問う」のが「質問」ということですね。
また、「質問」は「質問する」という動詞形で用いられることも多いせいか、後に続けられる言葉も、「疑問」と「質問」では次のように異なります。
続く言葉 | 「質問」 | 「疑問」 |
---|---|---|
答える | ○:質問に答える | ○:疑問に答える |
する | ○:質問する | ×:疑問する |
抱く | ×:質問を抱く | ○:疑問を抱く |