「不思議」の意味や使い方
「不思議(ふしぎ)」は、理性や常識では、その理由や原因が理解できないようなことがらの意味です。また、「不思議ではない」の形で、それが当然起こる意味にも使います。
- 自然界の不思議をさぐる
- 不思議な現象
- 彼の予想は不思議によく当たる
- 二人は不思議な縁で結ばれている
- 今回は不思議とうまくいった
- 不思議なことに誰も来ない
- 世界の七不思議
- 今の管理体制ではいつ事故が起こっても不思議ではない
「不思議」の語源
「不思議」は「不可思議(ふかしぎ)」を略したものが語源です。現在でも「不可思議」は、「不思議」とほぼ同じ意味で使いますが、遅くとも鎌倉時代には成立していました。
「不可(しない)」+「思議(思うこと、考えること)」で、思いがけないこと・考えられないことというのが本来の意味でしたが、いぶかしむこと、怪しいと思うことなどのニュアンスが加わり、そこから現在の使い方になりました。
「不思議」の類語
「不思議」の類語は「妙(みょう)」「奇妙(きみょう)」「奇怪(きかい)」「奇異(きい)」「怪奇(かいき)」「怪異(かいい)」などがあります。普通とは異なっていて、常識や理性では説明がつかないことの意味です。
この中では「不思議」がもっとも広く一般的に使われ、理解や解釈ができないことすべてに対して言い、とても広い言葉です。
「妙」と「奇妙」では、「奇妙の」方が普通と異なる度合いがより大きい場合に使います。
「奇怪」「奇異」「怪奇」「怪異」は、常識で考えられる範囲を甚(はなは)だしく外れていて、説明がつかないばかりでなく、怪しい感じを持つ場合に使います。「奇怪」「奇異」よりも、「怪奇」「怪異」の方が、その度合いが大きい場合に使います。
使い分けの例
- □□な事件…○不思議、○妙、○奇妙、○奇怪、○奇異、○怪奇、×怪異
- □□な感じを受ける…○不思議、○妙、○奇妙、○奇怪、○奇異、△怪奇、△怪異
- 彼の占いは□□に当たる…○不思議、○妙、○奇妙、×奇怪、×奇異、×怪奇、×怪異
- □□小説…×不思議、×妙、×奇妙、×奇怪、×奇異、○怪奇、○怪異
その他に意味合いの近い言葉は、以下のようなものがあります。
不思議
- 摩訶(まか)不思議
- ワンダー
- 希代(きだい、けたい、けったい。稀代、卦体)
- 奇(く)しくも
- 面妖(めんよう、めいよう)
- 妖異(ようい)
- 物怪(もっけ、もののけ。勿怪)
- 奇態(きたい)
- 奇幻(きげん)
- 浮世離れ(うきよばなれ)
- 現実離れ
- 言語に絶する
- 狐(きつね)につままれる
- ミステリー
- 謎めく
- エニグマティック
- 理解を超える
- 不可解
- 気味(きみ)が悪い
神秘
- 無量(むりょう)の深秘(じんぴ)
- 神妙(しんみょう)
- 霊妙(れいみょう)
- 霊異(れいい)
- スピリチュアル
- トランセンデンタル
- ミステリアス
- 超自然(ちょうしぜん)
- スーパーナチュラル
- オカルト
- 怪力乱心(かいりょくらんしん)
- この世のものでない
- 畏怖(いふ)の思いにとらわれる
- 神業(かみわざ)
- 神技(しんぎ)
- 霊験(れいげん)
- 現奇特(げんきどく。験奇特)
- 示現(じげん)
- 奇跡(きせき。奇蹟)
- 神威(しんい)
- 天の計らい
- 天佑(てんゆう。天祐)
得体(えたい)がしれない
- 鵺(ぬえ。鵼)
- 滑瓢(ぬらりひょん)
- 瓢箪鯰(ひょうたんなまず)
- 腹が読めない
「不思議」の英語
「不思議」の英語は、strange(奇妙な)、mysterious(神秘的な)、miraculous(奇跡的な)、odd(奇異な)などがあります。
- 不思議な事件が相次いだ…Strange things happened one after another.
- 彼の不思議な失踪…his mysterious desappearance
- 彼が来なかったとはまったく不思議だ…His absence was incomprehensible.