「お加減はいかがでしょうか」の意味
「お加減はいかがでしょうか」(おかげんはいかがでしょうか)とは、「体の具合は大丈夫だろうか」と、体調を崩している相手を気遣う丁寧な言い回しです。
「お加減」は、丁寧を表す接頭語の「お」、「加減」は、物事の状態や程度を表す言葉で、この場合は「体調の良し悪しの状態」のことです。
「いかがでしょうか」は、相手の気分などを尋ねる時に使われる改まった言葉遣いです。「体調はどうですか」を丁寧に言い換えています。
「お加減はいかがでしょうか」の使い方
「お加減はいかがでしょうか」は、会社の上司や先輩、取引先やお客様などの目上の方、恩師などのお世話になった方を気遣う際に用いられます。
どちらかと言えば手紙などの書き言葉で使われることが多いです。同僚や部下などの場合はあまり使う機会はないかもしれませんが、手紙や仕事に関係したメールなどで慣用句のように用いる場合もあります。
風邪や怪我などで数日間体調を崩している方だけでなく、入院が必要なくらい大病をした方や大怪我をした方にも使えます。「お加減はいかがでしょうか」で、相手に対する気遣いやお見舞いの気持ちを込められるでしょう。
具合が悪い方を気遣う
普段は元気でも、会社にいる時に具合が悪くて辛そうに見える場合があります。大丈夫かどうか気遣う意味で「お加減はいかがでしょうか」と使えます。
【例文】
- お疲れさまです。お加減はいかがでしょうか。先方ではご無理をなさいませんようにとおっしゃり、打ち合わせは後日に延ばしても構わないとのことでした。
- お加減はいかがでしょうか。急な発熱でお辛いでしょうね。書類の作成は引き継ぎますので、お体を休めてください。
病気や怪我で療養している方へ
病気や怪我で療養が必要な方のお見舞いをしたり、手紙などを書いたりする場合があります。本人ではなく、家族などの近しい立場の方に様子を尋ねることもあるでしょう。
相手の具合を気遣い、無理せず静養してほしいという願いを込めて「お加減はいかがでしょうか」を使うと良いでしょう。
【例文】
- (見舞いで声をかける)お加減はいかがでしょうか。手術が無事に済んで、本当に良かったですね。ゆっくり療養してくださいね。
- (家族に様子を聞く)お見舞いに伺いたいのですが、〇〇様のお加減はいかがでしょうか。
- (相手にメールを出す)ご無沙汰しております。入院なさったとのこと、お加減はいかがでしょうか。
相手を気遣う内容でもNGの例
せっかく相手を気遣って「お加減はいかがでしょうか」という文言を入れても、相手の気分を害してしまうことがあります。NG例を紹介します。
相手から直接具合が悪いと聞いていない
自由業
(40代)
取引先の方に病気で入院したことを伝えていないにも関わらず「お加減はいかがでしょうか」とメールが来た。「なぜあなたが知っているの?」と怖くなった。
人によっては、プライベートのことを仕事に持ち込みたくない、お見舞いに来ていただいたり、金品を頂いたりして迷惑をかけたくない、自分が弱っているところを見せたくないなどの理由で、具合が悪いことを内緒にする場合があります。
公にしていないのにも関わらず、体調を気遣うメールや手紙が来たり、お見舞いに来られたりすると、どうして情報が漏れたのか、相手が不審に感じることもあります。自分が直接聞いていない場合は、直接体調を尋ねるメールやお見舞いなどは遠慮した方が良いでしょう。
健康な方に「お加減はいかがでしょうか」
会社員
(30代)
病気や怪我ではなく、単に前の会社を辞めて転職しただけ。前職の取引先でお世話になった方から「お加減はいかがでしょうか」と年賀状に書いてあってびっくりしました。
「お加減はいかがでしょうか」は、病気や怪我などで具合の悪い相手の体調を伺う時の言い回しです。健康な人に向けて使うと非常に失礼にあたります。
それまでは親しくしていても転勤や退職などで疎遠になった相手に、手紙などで体調を気遣う言葉を使う場合は、「お体にお気をつけくださいね」「風邪が流行っておりますので、くれぐれもご自愛ください」などを使うとよいでしょう。