「わからずじまい」の意味
「わからずじまい」とは、物事の原因や思惑、成り行きや結末などが分からないままで終わってしまったことです。漢字かな混じり文で「分からず終い」、四字熟語で「不分仕舞」と表します。
「不分仕舞」の「不分」を読み下すと「分からず」です。動詞の未然形「分から」に打ち消しの助動詞「ず」、直後に「仕舞」がつく形で、「(動詞)せずに終わってしまった」という意味になります。
「わからずじまい」の使い方
「わからずじまい」が「理解できないまま終了した」ということから、最後までしっかりと物事に向き合って理解をしようとした努力の様子が見えます。
「わからずじまい」を使うことで、知りたいと思って一生懸命やっても結局分からなかったいう、もどかしい思いを伝えられるでしょう。
結局内容が理解できなかった
勉強などの学んだことや習い事などの内容が理解できなかった場合に、「わからずじまい」が使えます。努力を積み重ねても、結局分からないままで終わってしまったという悔しい気持ちを込められます。
【例文】
- 『源氏物語』の講座を取ったが、何回読み込んでも良さがわからずじまいであった。
- 生徒の質問に先生がいくら丁寧に答えても、生徒が理解できず、ついに先生がさじを投げてしまい、結局、わからずじまいに終わってしまった。
解決できないままで終わった
事件や出来事などが未解決のままで終わってしまった状況も「わからずじまい」と言えるでしょう。長年の捜査や取材、調査などが行われたけれど、結局解決できず、知りたかった原因が分からないというような場合に使えます。
【例文】
- 「三億円事件」は結局犯人が捕まらず、最後まで真相がわからずじまいで時効を迎えた。
- 明智光秀にしろ、源義経にしろ生き残り説があり、最期がわからずじまいだね。
真意をくみ取れなかった
普段、話はしていてもなかなか相手の本音や真意、思惑などが分かりにくい場合があります。長年のお付き合いがあったとしても、結局相手の思っていることが感じ取れなかった時に「わからずじまい」を使うといいでしょう。
また、評論などを最後まで丹念に読み進めても、結局作者の真意が読み取れない、意図が分からず何が言いたいのか当惑しているといった状態にも「わからずじまい」が使えます。
【例文】
- 別れた彼氏の心の内は結局わからずじまいでした。
- 同じクラスでも、仲の良い子以外のことはわからずじまいだった。
- 彼の論文を読んだが、結局のところ何を主張したいのかわからずじまいだった。
物語の結末が明らかにならなかった
ドラマや映画を見たり、小説を読んだりして、物語の結末部分まで行っても、全ての謎が明らかにならずにどことなく尻切れトンボで終わる感じがする状態に「わからずじまい」という言葉が当てはまります。
【例文】
- まだ続きがあるような結末で、何が言いたいかわからずじまいの中途半端な小説だった。
- ドラマは最終回だったのに、「続きは映画で」と書いてあり、結末はわからずじまいだった。
「わからずじまい」の類語
不透明
「不透明」(ふとうめい)とは、透き通っていない様子から転じて、物事の実情や過程がはっきり示されていないことを言います。重要なことなどを隠されているために分からないといったニュアンスが入り、理解を妨げられているという意味合いが強くなります。
【例文】
- 供述に不透明なところがあり、さらに追求するつもりだ。
- 先行きが不透明で、将来の予測がつかない。
有耶無耶
「有耶無耶」(うやむや)とは、物事がはっきりとわからない様子、あいまいでいいかげんな感じがすることで「わからずじまい」と同じような意味合いです。「耶」は、疑問を表す助字で、元々は「有るか無いかはっきりとはわからない」ことです。
【例文】
- 話の結末が有耶無耶でつまらなかった。
- 数学の質問を先生にしても、答えが有耶無耶に終わってしまった。