「あずかり知らぬ」とは?
「あずかり知らぬ」は、「そのことには関与していないため、その内情や実情についてはまったく知らない」という意味の言い回しです。「あずかり~ぬ」という表現が古い日本語の表現であるため、時代劇の台詞めいて聞こえますね。
「あずかる」の意味
「あずかり知らぬ(ない)」を深く理解するために、「あずかる」について解説します。
「あずかる」は、「関る」「与る」と漢字表記し、「ある事柄、人物などに関係・関与していること」という意味をもつ言葉です。
したがって、「あずかり知る」とは、「あることに関係・関与して、そのことを知っている」という意味になります。
「あずかり知らぬ」の使い方
「あずかり知らぬ」という言い回しを、このままのかたちで用いることはめったにありません。時代劇ドラマなら馴染みますが、現代日本の会話で、とつぜん「あずかり知らぬ!」と出てきたら、まわりは驚いてしまいそうですね。
実際に用いられるときは、「あずかり知らぬこと」「あずかり知らぬところ」が定型的、慣用的な表現となっています。
「あずかり知らぬ」というかたちで用いる場合も、「あずかり知らぬという態度で」など「という」を補い、形容詞的に用います。
用例
(A男)
山本君と鈴木君の仲たがいについては、僕のあずかり知らぬことだから、理由を聞かれても答えられないよ。
(B男)
今回の当校の不正入試の背景については、私のような一介の教師のあずかり知らぬところでございます。
(C子)
部長が智子さんにセクハラした件は、目撃者もいるのよ。それなのに、追究しても、あずかり知らぬという態度で逆ギレする始末なの。